てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

読んだもの

「哲学は驚きからはじまる」を知るための2冊

なかなかブログを書く余裕がなく過ぎていく日々。 読みたい本もたくさんあるのに、読み返したい本まで出てきて困る。 今日、「哲学は驚きからはじまる」を再考するために読み返したくなったのは、こちらの2冊。 テアイテトス (光文社古典新訳文庫) 作者:プ…

『迷子の魂』@スロウな本屋

4月24日(土)は、スロウな本屋さん主催のオンラインえほん哲学カフェでした。 毎回1冊、絵本を読んで、感じたこと考えたことを語り合います。 今回の一冊はこちら。 『迷子の魂』(作/オルガ・トカルチュク、訳者/小椋彩、絵/ヨアンナ・コンセホ、出版…

『中学道徳ラクイチ授業プラン』(学事出版)

『中学道徳ラクイチ授業プラン』をご恵贈いただきました。 毎日小学生新聞の連載「哲学カフェ」の仲間、神戸和佳子さん、土屋陽介さんが執筆代表者です。 中学道徳ラクイチ授業プラン 発売日: 2021/03/26 メディア: 単行本(ソフトカバー) ふだんは「ご恵贈…

『こんとん』@スロウな本屋

昨日の午前は、スロウな本屋さん主催のえほん哲学カフェでした。 今回の一冊は『こんとん』。 ☞スロウな本屋さんのオンラインショップでご購入の方はこちらからどうぞ。 ずいぶん前にスロウな本屋さんに教えてもらって、めっっちゃ気になったけど、ここから…

哲学的思考が、だれの前で、だれにたいしてなされるものか〜臨床哲学における《メタ》

昨日、コロナウィルス感染拡大の影響で対応を迫られることが、それぞれの対話活動を、何のために、どういう場所で、どういう方を対象に行うのかを確認する機会にもなっているいるという記事を書きました。 matsukawaeri.hatenablog.com 今日、たまたま開いた…

『フォックスさんのにわ』@スロウな本屋

時を少し遡りまして‥‥‥ 先月末10月31日(土)は、スロウな本屋さん主催のえほん哲学カフェ。 オンラインで『フォックスさんのにわ』をみなさんと読みました。 フォックスさんの にわ (児童図書館・絵本の部屋) 作者:リーズ,ブライアン 発売日: 2019/10/3…

『その後の不自由 「嵐」のあとを生きる人たち』

とある読書会の備忘録です。 その後の不自由―「嵐」のあとを生きる人たち (シリーズ ケアをひらく) 作者:上岡 陽江,大嶋 栄子 発売日: 2010/09/01 メディア: 単行本 どんな本? 自分を真ん中にして考える グチを話す相手を選ぶ 援助者に何をしてもらうと助か…

ナマケモノはなまけているわけではありません〜高畠純『ふたりのナマケモノ』〜

「家族のためのがんカフェ」や「遺族のためのがんカフェ」を開催するために第2の患者会すろーすを設立してから、名前の由来になってるナマケモノが気になる日々。 図書館で、こんな絵本を見つけました。 ふたりの ナマケモノ (講談社の創作絵本) 作者:高畠 …

こどもと大人のてつがくじかん〜てつがくするとはどういうことか?〜

先日、テツドク!の記事のなかでも軽く触れた、こちらの本が手元に届きました! こどもと大人のてつがくじかん てつがくするとはどういうことか? (犬てつ叢書 (1)) 作者:ミナタニアキ,安本志帆,河野哲也,高橋綾,松川えり,三浦隆宏,ヤマダクミコ 発売日: 2020…

オンラインテツドク!フーコーとともに権力と自由について考える

先週末、6月7日(日)は、哲学者の言葉に触れ対話する〈テツドク!〉を開催しました。 いまのこの状況って、医療や公衆衛生などをとおして私たちを管理し生かす〈生-権力〉の概念を提示したフーコーを読むのにぴったりだよなぁ、なんて考えていたところに…

『よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門』〜論理と感情は矛盾しない

ウィルスの影響で3月がことごとく中止・延期に追い込まれ、 NO PHILOSOPHY, NO LIFEな私は心身の調子が落ち込み気味の日々ですが、 ふと本屋で見かけた一冊が、なかなかの掘り出しものでした。 よかれと思ってやったのに 男たちの「失敗学」入門 作者:清田…

青鹿ユウ『今日から第二の患者さん』@さりお「私の一冊」

新しく山陽リビングメディアから創刊されたコミュニティペーパー「さりお」の、12月13日号「私の一冊」コーナーで、『今日から第二の患者さん』をご紹介させていただきました。 最新号を「さりお」のサイトからご覧いただけます。間に合えば、どうぞ。 sanyo…

愛着からみるコミュニケーション〜岡田尊司『カサンドラ症候群』『愛着障害』

kindle unlimitedで読めるからという軽めの理由で、こちらの本を読んだのですが‥‥‥ カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら (角川新書) 作者: 岡田尊司 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/10/06 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る …

テツドク!『ツァラトゥストラはこう言った』

最近忙しくて、いろいろレポートが下書きのまま溜まってしまっていますが、 昨日は、岡山芸術交流のパブリックプログラム。 哲学書のことばに触れ語り合うテツドク!が開催されました。 www.facebook.com 今年の岡山芸術交流のタイトルが「もし蛇が」で、 哲…

オスカー・ブルニフィエ『暴力って、なに?』

昨日、スロウな本屋に行ったら、質問セミナーなどでも時々参照する「こども哲学」シリーズから、新しいのが出てました。*1 暴力って、なに?(こども哲学) 作者: オスカー・ブルニフィエ,重松清,アンヌ・エムステージュ,西宮かおり 出版社/メーカー: 朝日出版…

フェミニズムづく

最近、ちょっぴりフェミづいてます。 どうしたら「女だから」という理由でふりかかる、理不尽でマイナスな体験をさせずに子育てできる?(イジェアウェレへ: フェミニスト宣言、15の提案) という言葉に惹かれ、スロウな本屋さんで『イジェアウェレへ』を読…

思考実験室「公平な不平等」@antenna Coffee House

偶数月の第2日曜に、antenna Coffee Houseで開催している、 哲学カフェ尾道。 6月9日は、テーマ代わりに思考実験を読んでか考える「思考実験室」篇。 今回は、こちらの本から「公平な不平等」と題された思考実験を取り上げました。 100の思考実験――あなた…

寿命図鑑

西粟倉の図書館で見つけた寿命図鑑。 寿命図鑑 生き物から宇宙まで万物の寿命をあつめた図鑑 作者: やまぐちかおり 出版社/メーカー: いろは出版 発売日: 2016/07/24 メディア: 大型本 この商品を含むブログ (1件) を見る 毎日小学生新聞の「人はなぜ長生き…

テツドク! ミシェル・フーコー『真理とディスクール』

2月10日(日)は、antenna Coffee Houseにて哲学カフェ尾道。 今回は、哲学書の言葉に触れ語り合うテツドク!を開催しました。 いわば、テーマ代わりに哲学書について語り合う哲学カフェです。 www.facebook.com 今回扱ったのは、ミシェル・フーコーの『…

ピーター・B.ラービ『哲学カウンセリング:理論と実践』

前から読まなきゃ読まなきゃとおもいつつ、つまみ食いして放置していた哲学カウンセリングの本を読みました。 哲学カウンセリング―理論と実践 作者: ピーター・B.ラービ,Peter B. Raabe,加藤恒男,松田博幸,岸本晴雄,水野信義 出版社/メーカー: 法政大学出版…

えほん哲学カフェ『なにか、わたしにできることは?』@スロウな本屋

昨日10月13日(土)は、スロウな本屋さんでえほん哲学カフェでした。 今回取り上げたのは、店長にご紹介いただいたこちら。 なにか、わたしにできることは? 作者: ホセカンパナーリ,ヘスースシスネロス,Jos´e Campanari,Jes´us Cisneros,寺田真理子 出…

梶谷真司『考えるとはどういうことか』〜Philosophy for Everyoneの人が書く哲学入門〜

UTCP(東大の国際哲学研究センター)の梶谷真司さんの新刊が届きました! とても楽しみにしていた一冊です。 まだ読んでないけど。 まだ読んでないのに、なぜこんなに堂々ご紹介できるか、こちらの連載を楽しんでいたからです。 www.gentosha.jp 梶谷さんと…

えほん哲学カフェ『つみきのいえ』@炭本研究所

10月2日は、炭本研究所からのご依頼で、広島県福山市の羅秀夢さんにて、えほん哲学カフェをしてきました。 主な対象は、絵本好きのお母さんたち。 1回目は、大人が読んで楽しい『ウラオモテヤマネコ』、 2回目は、子どもとも楽しめる『みつけてん』、 3回…

哲学カフェのテーマと出会える26の本

株式会社SCICUS様の主催で【哲学カフェのテーマと出会える26の本】というブックガイドが公開されました。 13社の出版社様がそれぞれ「哲学カフェに使ってほしい本とそのテーマ」を紹介されています。 peraichi.com カフェフィロの『哲学カフェのつくりかた』…

E・キューブラー・ロス『死ぬ瞬間ー死とその過程について』

ちょっとショックな出来事のあった友だちに、キューブラー・ロスの5段階説の話をしたら食いついてきたので、久しぶりに取り出してみました。 死ぬ瞬間―死とその過程について 作者: エリザベスキューブラー・ロス,Elisabeth K¨ubler Ross,鈴木晶 出版社/メー…

『生きる』@スロウな本屋

8月18日(土)は、スロウな本屋にて、えほん哲学カフェを開きました。 今回の絵本は、先月の朗読教室で読んで、感想を語り合いたくなってしまった『生きる』(絵本のご購入はこちらよりどうぞ)。 「ミニスカートが流行った頃」に書かれたという谷川俊太…

河野哲也「対話による人間の回復:当事者研究と哲学対話」

昨日は、尾道へ向かう途中の電車で、こちらの論文を読みました。 河野哲也「対話による人間の回復:当事者研究と哲学対話」(立教大学社会福祉研究所紀要第33号、pp.3-12) 毎日小学生新聞の連載「てつがくカフェ」でご一緒している河野さん(コーノさん)の…

えほんでこどもてつがく『ともだちや』

すこし時を遡りまして‥‥‥ 7月26日(木)は、広島県福山市で活動する炭本研究所さんのご依頼で、小学生を対象にてつがくワークショップを開いてきました。 午前中は1〜2年生の9名、午後は3〜5年生の9名、と2本立てで。 何度か、絵本好きのお母さん…

朗読教室と『生きる』

豪雨から一転して、ツンとデレのギャップをどないかしてくれよ、と言いたくなるほど快晴の岡山。 今日は、スロウな本屋さんの「朗読教室」にキャンセルが出たとうかがい、急遽参加してきました。 えほん哲学カフェをするときに、絵本を朗読するので、少しで…

モヤモヤを言語化しないと

タイトルから、常日頃から関心あるジェンダーの問題かなと思って読んだら、そこから始まる、モヤモヤの言語化の話に共感。 headlines.yahoo.co.jp 姉のおさがりの赤いカーディガンを学校に着ていったら、男性の先生に「男のくせに赤いカーディガンなんて、着…