てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

『魔女になりたかった妖精』@あわくら図書館

3月7日(日)は、智頭急行へ乗って、ひさしぶりに西粟倉へ。


あたらしくできた木造の素敵な図書館(ほとんど地元でとれた木材で建てられているそうです。これぞ、地産地消!)で、木の香りを感じながらの、えほん哲学カフェ。

 

鉄筋を使わず広い空間を支えるためという梁が特徴的。

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卓球台のある多目的ホールも。

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林業雑誌の充実ぶりも、さすが西粟倉

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哲学カフェの会場はこちら。

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そして、テーマ代わりの一冊がこちら。

 

本屋さん主催のえほん哲学カフェでは、店長さんおすすめの新しい絵本に出会えますが、今回は絶版になってるわたしのお気に入りの一冊を他の図書館から取り寄せていただきました。

これも、図書館だからできること。

 

「自由な暮らしにあこがれ、魔女になりたいと家を飛び出していく妖精の娘」と「魔女になりたいという娘を止めようとするお母さん」のお話です。

 

以下、ネタバレご容赦ください。

 

主人公のローズマリーが、魔女の世界にたいした苦労もなく馴染んだり、大反対だったお母さんとなんだかんだでうまくいっちゃう展開に、冒頭から、「こんなにうまくいく? 子どもだましじゃない?」というツッコミが出て、ドキッ。

わたし自身がこの絵本のなかにみている理想のようなものに気づかされました。

 

「現実はこんなにうまくはいかないと思うのはなぜ?」

「物語だからこんなにうまくいくのか、物語だからもっとドラマチックな展開を期待してしまうのか?」

「新しい世界に躊躇なく踏み出せる?」

「異なる幸せ観をもった人と、どうつきあう?」

「妖精と魔女って、互いにどんな存在なの? お金持ちと一般人? 大人と子ども?」

「タイトルに“魔女になりたかった”あるってことは、結局なれなかったってこと?」

‥‥‥などなど。

 

いろんなポイントが出てきたところで、それぞれの気になるポイントを紙に書いてもらいました。 

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汚れや傷も気にせず自由に過ごす魔女の姿に、子どもらしさを感じる一方で「いまの子どもは忙しくて、こんなに自由に過ごせてないかも」という指摘も‥‥‥。

 

以前、向島でも同じ絵本でえほん哲学カフェをしたことがあるのですが、今回はまた、全くちがう展開で、興味深かったです。

読む人によって全く異なる対話が繰り広げられることに、絵本の奥深さを改めて感じました。

 

西粟倉のみなさん、ありがとうございました。

建設中のお隣の役場の完成も楽しみですね♪

ぜひまたうかがえればと思います。