3月31日(日)は、長島愛生園へ。
愛生園で暮らす宮﨑かづゑさんを撮ったドキュメンタリー映画『かづゑ的』のなかの言葉とともに、愛生園をてくてく歩きく『かづゑ的』ウォークを実施しました。
企画がもちあがったときは、シンプルに、岡山市内のシネマ・クレールで映画を観たあと感想を語り合うシネマ哲学カフェをしようというイメージだったのですが、その後、3月最終週の上映時間が夜と判明。映画観たあと移動して対話してたら、帰れなくなっちゃう。
それなら、いっそ、映画は前日までに観てきてもらって、映画に出てきた風景を眺めながら映画の感想を語り合ってはどうか、ということに。
映画の内容を思い出す装置として、事前に映画のなかの言葉が書かれたクジを用意しました。
喫茶さざなみハウスのやりやさんが用意してくれたおにぎり(オプション)で腹ごしらえをしたら‥‥‥
ヨノナカ実習室のスミちゃんのナビゲートで、喫茶さざなみハウスをスタート♪
てくてく歩きながら、各々クジに書かれた『かづゑ的』な言葉に合う場所を探し、見つけたら、「ストップ!」。みんなで言葉と風景と理由を共有して、語り合います。
たとえば‥‥‥
(以下、ネタバレの恐れあり!)
皮がめくれ木肌があらわになった大木のもとで‥‥‥
あの桜の木を見つけて‥‥‥
あの崖の八朔をどうにか採れないかと思案しながら‥‥‥
心地よい風を感じながら‥‥‥
哲学ウォークの手法をヒントにしつつ、限られた時間で思い切り映画の感想を語り合えるよう、今回は「歩く時は黙って歩く」というルールや質問タイプは省くゆるゆるスタイルで。
最後に、喫茶さざなみハウスで、飲み物とおやつをいただきながら、ウォークをふりかえったあと、
- “「かわいそう」っていうのはちがう”の理由
- かづゑさんの唯一無二性と、かづゑさんの言葉がもつ普遍性
- タイトルの「かづゑ的」ってどういうこと?
などなど、さらに映画で気になったポイントについて、映画と自分たち自身の経験を行きつ戻りつしながら、考えてました。
あっという間の3時間。
でも、一人で映画を観ただけでは消化しきれなかったもやもやに、向き合うことができました。(特に監督が「いい格好」をしていたら描けなかったかもしれないことに気づけたのは、私にとって大きな収穫だったかもしれない。)
ご参加くださったみなさん、この企画にお誘いくださった喫茶さざなみハウスの鑓屋さん、ヨノナカ実習室のスミちゃん、ありがとうございました。
そして、かづゑさん、熊谷博子監督ら、この映画を生み出し私たちに届けてくれた方たちにも、(届くかどうかわからないけど)ありがとうございます。
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映画のなかに出てきた、かづゑさんの本も気になって手にとってみる。
まだ読んでる途中ですが、教科書的にマクロな視点でハンセン病や差別の歴史を学ぶより、私にはこういうひとりの視点から綴られてるもののほうが合ってるかも。中高生ぐらいのときに読みたかったなぁ。
過去に長島愛生園で実施した哲学ウォークについては、以下をどうぞ。