10月2日は、炭本研究所からのご依頼で、広島県福山市の羅秀夢さんにて、えほん哲学カフェをしてきました。
主な対象は、絵本好きのお母さんたち。
今回は、『つみきのいえ』を、みなさんと読んでみたくなりました。
海の水が増えて床が浸かるたびに、積み木のように、上へ上へ家を建て増ししてるおじいさんのお話です。
以前、スロウな本屋さんでも取り上げましたが、重なるところもありつつ、新たな説も聞くことができて、また新鮮な気持ちで読むことができました。
やっぱり、絵本っておもしろい!
以下、ネタバレご容赦くださいm(_ _)m
いろんな読み方が出てきましたが、ざくっと3つの観点があったかなぁと思います。
1)家って何だろう?
「なぜ、おじいさんはこんなところに住み続けるの?」
「遊牧民とは逆の暮らし。家っていろんな形がありえるし、これはこれで楽しそう」
「私たちだって、地震のない国の人からは『なんでそんなところに住んでるの?』って思われてそう。慣れ?」
2)記憶や思い出の比喩説
「過去の家が水で隠されているように、私たちの記憶もいつも見えているわけじゃない」
「私たちひとりひとりのなかにも、こういう水に浸かったまち=記憶があるのでは?」
3)ラブストーリー説
「ここがこうじゃなくてこうってことは、おじいさんがおばあさんを一途に想うラブストーリー!?」
「いや、この絵をよく見ると、意外と一途じゃない可能性も!?」
一冊の本を何通りにも読める、絵本の素晴らしさよ。
そして、終了後に聞いた、ある方の感想が心に残りました。
この絵本を読むと、自分のおじいちゃんを思い出して切なすぎて泣きそうになっちゃうけれど、今日、ラブストーリーとしても読めると聞いて、温かい気持ちで開けそう。(ある参加者の感想[ただし細かい文言は松川の記憶によります])
たぶん、今後『つみきのいえ』を開くたびに、わたしは彼女の言葉を思い出すだろうなぁ。
絵本にまつわる思い出も、こうして積み重なっていくのね。
ご参加くださったみなさん、企画してくださった炭本研究所さん、絵本に囲まれた居心地のよい空間を提供してくれる羅秀夢さん、ありがとうございました。
ちなみに、スロウな本屋さんで開いたときのレポートはこちら↓
こちらの本でも、『つみきのいえ』について語り合ったえほん哲学カフェについて、寄稿させていだいています。