先週6月6日(木)は、神戸のグリーングラス(愛称「グリグラ」)へ。
学生の頃からお世話になっている、元(?)育児サークルです。
「テツドクに参加したことがないから、してみたい」
「松川さんの研究の話もきいてみたい」
というリクエストに応じて、グリグラ初のテツドク!をしてきました。
「テツドク」は、「哲学書を読む」の略。
テーマ代わりに哲学書の言葉に触れ、感じたこと考えたことを語り合う哲学カフェです。
とはいえ、哲学書に全然関心のない方もいるだろうなぁ。
ということで、まず、最初の1時間は「ホントのこと言う?言わない?」をテーマに、普通に哲学カフェを。
その後、その内容に関連するこちらの本の内容を紹介して話し合いました。
- 作者: ミシェルフーコー,Michel Foucault,中山元
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2002/09/01
- メディア: 単行本
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「率直に真理(真実)を述べること」を意味する古代ギリシアの概念「パレーシア」について、ミシェル・フーコーが分析した講義録です。
テツドクでは、「パレーシア」についてのポイントを説明している最初の20ページから、ポイントを抜粋して紹介しました。
これまで、この本で何度か(5回ぐらい?)テツドクをしていますが、今回のように、本を紹介する前にテーマを設けて話し合うスタイルは初めて。
3時間あったからできたことですが、いいですね。
「家族から家事についての指摘を受けて、モヤモヤした」
「友達にイヤなことをイヤと伝えるかどうか迷ってる」
「職場のムダを指摘したら、左遷されてしまった」
などなど身近な事柄について話し合ったあとだったので、それらが本のポイント(パレーシアの条件、リスク、義務など)を理解するよいヒントになった気がします。
また、リスクや義務と切り離せない「パレーシア」という概念を参照することで、最初にみなさんが話してくれた例のなかにも、様々な種類があることがわかってきました。
個人的に興味深かったポイントは、以下の3点。
1)言いたい?言うべき?言っちゃう?
ホントのことを、自分がすっきりするために「言いたい」のか、他者や社会のために義務感から「言うべき」なのか、自分の発言の影響をあまり考えず「言っちゃう」のか。
今後はちゃんと区別して話そうと思うと同時に、本当に区別しきれるのかなぁという疑念も。
2)細かいことはいちいち言わないけれど、大事なことは言う?小さなことは言えるけど、大事なことほど言うのを躊躇してしまう?
これはけっこう、個人差ありそう。
どうして、人によってちがうんだろう?
両者の差異が気になりました。
3)ホントのことを言われると、傷つくのはなんで?
これはこれで、哲学カフェのテーマになりそうですね。
わたしがうかがうのは年1〜2回になってしまいましたが、グリーングラスでは、カフェフィロメンバーの進行で、2ヶ月に1回程度のペースで哲学カフェが開かれています。
今後の開催予定日は以下のとおりです。
8月27日(火)
10月29日(火)
12月10日(火)
2月25日(火)
※いずれも10:00受付開始、10:15〜12:00開催
神戸市北区役所が鈴蘭台駅直結のビルに移転したおかげで、会場までのアクセスもよくなりました!
みなさんもご都合があえば、ぜひご参加ください。
(予定が変更されることもあるかもしれないので、事前に確認&申し込みしてからご参加いただくことをおすすめします。)