てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

1クラス36人で哲学ウォーク for 池田高校

3月18日(木)午前中は、徳島県立池田高校1年探究科のみなさんと、学校周辺を哲学ウォーク。

 

1クラス36名。

オリジナルの、ナビゲーターの後をぞろぞろとついて歩いてもらうハーメルンの笛吹きスタイルは無理がある。

そこで今回は、4人1組で自由に歩いてもらうことにしました。

 

この地図の水色の範囲内なら、どこをどう歩いてもOK!(ただし4人1組は死守!)

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緑で囲ったところに、みなさんが通っている池田高校があります。
前日に下見して、先生方と相談の結果、5号線は車通りが多くてちょっと危ないので避けることに。

ピンクで囲った中央公民館の大ホールが、スタート&ゴール地点。

ひとりずつ哲学者の言葉とグループが書かれたクジをひいて、いってらっしゃ〜い。

 

哲学者の言葉は、こちらの9種を用意。

  • 困難にこそ、おもしろみがある。(アラン)
  • 過去が現在に影響を与えるように、未来も現在に影響を与える。(ニーチェ
  • 革命は些細なことではない。しかし、些細なことから怒る。(アリストテレス
  • 勇気とは、恐る必要がないものが何かわかっていることだ。(プラトン
  • 敬意とは「面倒なことをしなさい」ということを意味する。(パスカル
  • 自由であるということは、自分の幸せを選べるということでもある。(マルクス
  • 平和が権利のために作られたのではない。権利が平和のために作られたのだ。(ルター)
  • 許すとは、強さの証だ。(ガンジー

 

別のグループに同じ言葉を持ってる人が自分に以外にも3人いるけれど、同じグループに同じ言葉を持っている人はいない状態で、

各々、自分がクジでひいた言葉にぴったりな風景を見つけたら、

同じグループの人になぜそこを選んだか説明して、

同じグループの人に1人ひとつずつ質問をもらって、

そのなかから一つ考えたい質問を選んで‥‥‥

というのを全員分繰り返します。

 

50分後、公民館に戻ってきたら、各々が考えた質問の答えをグループ内で共有。

 

‥‥‥と、ここで終わってもよかったのですが、時間に余裕がありそうだったので、もうひと対話してもらうことに。

今度は、同じ言葉をひいた4人で集まってもらい、同じ言葉に対してそれぞれがどこを選んだかを共有。

それぞれの理由を聞きながら、グループ内で相違点を探してみてもらうことに。

 

後半は、以前やった「思考の交差点ワーク」の応用ですね。 

matsukawaeri.hatenablog.com

 

 

池田高校周辺のこの辺りは、5号線を除けばかなり歩きやすいエリアで、人工物も自然も歴史も暮らしもあるし、探せばちょっと気になるものや不思議なものもある、かなり哲学ウォーク向きのエリアでした。

先生方から「新入生に学校周辺がどんな地域が感じてもらうにもいいですね!探究科だけでなく、他のクラスでもできるといいなぁ。」というコメントも。

わたしも、またやりたい!

 

 

「うだつが上がる」のうだつ。

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すだちハイボール

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今回のエリアからははずれるけど、下見で出会ったへそっこ公園の蛙たち

全国の池田の友好の証らしい。

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学生時代に住んでた大阪府池田市もはいってます。

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親子ってどんな関係?@大元公民館

1週間前の3月12日 (金)は、岡山市立大元公民館にて子育てモヤッとニコッとカフェでした。

子育て中の方を対象に、子育てのモヤモヤについて哲学カフェスタイルで対話します。

 

今回の テーマは、「親子ってどんな関係?」。

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「友だち親子ってどう思う?」という話から、

友だちとは異なる親の役割、

子どものとき親にしてほしかったこと、

親にしてもらってよかったこと、反面教師にしていること、

親にしてほしかったことを子どもにしてあげるのは、本当によいことと言えるか?

‥‥‥と話すうちに、これまでにも何度か出てきた大問題が浮上。

 

子にも個性があるように、親にも親という枠に収まらない個性や人生がある。

そのことと、親としての役割をどう両立させるか?

 

なかでも印象に残ったのが、ある参加者のこんなお話。

 

私はいま、パズルのピースのように、ひとつひとつ自分のピースを拾い集めてる最中なんです。

子どもができて、パズルが散らばるようにバラバラになって消えてしまった私を、もう一度、取り戻すために。

 

その言葉に、深くうなずく一方で、こんな違和感や驚きも‥‥‥。

 

子どもと同じ土俵に立って張り合う夫に対する違和感。

義母や実母が、子どもの「おばあちゃん」ではなく、いつまでも「夫のお母さん」「私のお母さん」としてふるまうことに対する驚き。

 

世間が自分にに求める母親像に違和感を感じる一方で、期待する父親像や祖父母像とな異なる夫や親への違和感をどう受け止め理解すればいいのか。

夫や親の個性とみるか、父親や祖父母になりきれていないとみるか‥‥‥。

 

「親子」という切り口から、子どもと関係だけでなく、自分自身との関係や、夫や親との関係、社会との関係が見つめ直された対話でした。

 

 

大元公民館での子育てモヤッとニコッとカフェは、来年度も継続予定。

「自己肯定感って?」「ほめたほうがいい?」「性教育はなぜむずかしい?」といったテーマを予定しています。

 

『魔女になりたかった妖精』@あわくら図書館

3月7日(日)は、智頭急行へ乗って、ひさしぶりに西粟倉へ。


あたらしくできた木造の素敵な図書館(ほとんど地元でとれた木材で建てられているそうです。これぞ、地産地消!)で、木の香りを感じながらの、えほん哲学カフェ。

 

鉄筋を使わず広い空間を支えるためという梁が特徴的。

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卓球台のある多目的ホールも。

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林業雑誌の充実ぶりも、さすが西粟倉

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哲学カフェの会場はこちら。

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そして、テーマ代わりの一冊がこちら。

 

本屋さん主催のえほん哲学カフェでは、店長さんおすすめの新しい絵本に出会えますが、今回は絶版になってるわたしのお気に入りの一冊を他の図書館から取り寄せていただきました。

これも、図書館だからできること。

 

「自由な暮らしにあこがれ、魔女になりたいと家を飛び出していく妖精の娘」と「魔女になりたいという娘を止めようとするお母さん」のお話です。

 

以下、ネタバレご容赦ください。

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