てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

夏の読書案内〜病いに向き合う本、差別に向き合う本〜

神戸行ったり、カフェフィロで研修したり、哲学プラクティス学会のシンポジウム準備をしていたら、あっという間にお盆休みに入ってしまいました。

夏の読書案内です。

 

 

1冊目は、病いに向き合うこちらの本。

急に具合が悪くなる
 

 

家族のためのがんカフェ、遺族のためんがんカフェを開催している第2の患者会すろーすで、3回にわたってオンライン読書会を開きます。

第1回は、8月20日(日)。

 

https://230820sloth.peatix.com/

 

ある日、医師に「急に具合が悪くなるかもしれない」と告げられたら‥‥‥
仕事は? あの人とのあの約束は?

もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか?
もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか?

がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者・宮野真生子さんと、友人として寄り添い続けた人類学者・磯野真穂さんが、互いの人生を賭けて交わした往復書簡『急に具合が悪くなる』を読んで、参加者同士で感じたこと、考えたことを語り合ってみませんか?

(すろーす読書会のイベント案内より)

 

がん患者がどのような状況、心情に置かれるのか知ると同時に、それに対して哲学者や医療人類学者が、自分自身の問題として、また友人として、どのように向き合うのかというところも気になる一冊です。

「ここは宮野さんのこういう哲学とつながってるなぁ」「ここは磯野さんの人類学者的な視点が利いてるなぁ」なんて箇所については、読書会でちょっと補足説明することになるかも。

 

お盆休みに読んで、8月20日に参加するとちょうどいいかと。

でも、読書会当日の朝早く起きて、慌てて読んでもOK。

「全部読めなくてもいいから、1ヶ所気になった箇所を教えてね」スタイルでの開催です。

 

 

 

差別に向き合う人、ジェンダーに関心のある方には、こちらをどうぞ。

女ことばってなんなのかしら?: 「性別の美学」の日本語 (河出新書 063)
 

 

9月11日(月)の夜19:00より、フラワー読書会やります!

slowbooks.jp

 

「〜かしら」「〜だわ」といった表現が減っているからといって、ことばに潜む性差別が減ったと安心できないのはなぜでしょう? 女ことばの歴史と役割、日本語の特徴、西洋語のなかのジェンダー問題を辿るなかで見えてくる、ジェンダー格差を生むことばの正体とは?

(フラワー読書会の案内文より)

 

途中、「ん?これ、女ことばと関係ある?」なんて疑問が頭をよぎる箇所もあるかもしれませんが、ご安心あれ。ちゃんと伏線回収されます。そこが、言語学ミステリーのようで、上記のような案内文になりました。

 

 

どちらも、私にとってのライフワークのような読書会です。

どちらもひとりで読むだけでも学びのある本ですが、学びの多い本だからこそ、他の人と感想を語り合うことで、気づかなかった点に気づけたり、自分の想いを言葉にしたり、できるんじゃないかと。

ご関心にあわせて、ご参加いただけるとうれしいです。

 

www.sloth2018.com

 

slowbooks.jp