毎月11日に全国各地で開催される「フラワーデモ」に敬意を表し、私たちならではのフラワーデモの一形態として、スロウな本屋さんの営業日に開催しているフラワー読書会。
9月11日(月)の夜は、『女ことばってなんなのかしら?』を題材に、言葉や物語とジェンダーの関係について語り合うことができました。
女ことばには命令形がない問題。
日本語は受け身が多く、罵倒の言葉が少ないといった日本語の特徴。
物語のなかで男性は上の名前で女性は下の名前が使われることが多い問題。
そこに込められた期待や願望。
そこから派生して、萩尾望都など少女漫画で描かれるジェンダーについて。
などなど。
なかでもとりわけ盛り上がったのが、一人称と主語の問題です。
日本語にはいろんな一人称があるのに、案外、使えるものは性別やシチュエーションによって制限されてしまっているのではないかという指摘。
それから、主語を省くことができるという日本語の特徴から、どんなジェンダーバイアスが生じうるのかという問題。
翻訳家だからこその視点をヒントに、
「そういえば、あのときは無自覚だったけれど、あの時期あの一人称を使っていた奥には、こういう気持ちがあったのかも」
「あの物語になんとなく惹かれたのは、こういう理由があったのか」
と、自分自身の奥にあるジェンダーバイアスへの抵抗や希望に気づくことができました。
次回は、11月11日(土)の午前10時から。
満を待しての、アルテイシアさん。
以前から、いつかアルテイシアさんの著作でと思っていたのですが、いつどの本を取り上げるか、迷いに迷ってこうなりました。
「ジェンダーを学ぶと生きやすくなる」
「ジェンダーバイアスが全くない人なんていないから、みんなで少しずつアップデートしていこう」
そんな姿勢にあふれた一冊です。
一般的には「はじめに」から読むものなのでしょうが、わたしは「おわりに」のほうが心にぐっと迫るものがあり、「おわりに」を読んでこの本を取り上げる決心ができました。
それぞれの関心に合わせて、気になるところから、読んでみるのもよいかもしれません。