12月13日(日)は、antenna Coffee Houseさんと、尾道で何度目かの哲学ウォークを開催。
哲学者の言葉が書かれたクジを一人一つひいて、その言葉に当てはまるスポットを探して歩きます。
これまでは色んな哲学者の言葉を用意することが多かったけれど、今回は、「アラン『幸福論』篇」と称して、全て1冊の本から引用。
わたしが読んだのは、抜粋版のこちらです。他に岩波版、角川版もあり。
寝付けない夜にたまたまkindle unlimitedで見つけて読んだんですが、哲学ウォークにぴったりな言葉がたくさんあって、この企画を思いつきました。
わたしのように本を読んだ人は、風景とともに本の内容を心に留めておけるし、本を読んだことのない人も、気軽に本の内容に触れることができる。
お得でしょ?
もちろん、参加したあとに「読んでみようかな?」という気になってくれたら、それもうれしい。
そして歩くルートも、今回は特別。
ふだんなら観光客でごった返していて絶対無理だけど、コロナの影響で観光客も参加者も少ない今なら‥‥‥ということで、出発地点のantenna Coffee Houseから坂道をのぼって千光寺公園へ、文学の道を通って頂上展望台まであがるルートを選択。
このルートで、いつかやってみたいと思ってたんです。
では、アランの言葉とともに、歩いた(登った)行程をふりかえってみましょう。
( )内は、アランの言葉と場所から参加者がつくったコンセプトです。
①「大げさに考えるのはやめて、ものごとをあるがままに見てみよう。」(あるがままに捉える)
②「現在に専念しなさい。刻一刻と前に進んでいる、自分の人生に専念しなさい。」(一期一会)
③「幸せの秘訣のひとつは、自分の不機嫌を気にとめないことだ。」(無責任)
④「困難にこそおもしろみがある。」 (体験)
⑤「想像力はなにもつくりだすことができない。なにかをつくりだすのは、行動である。」(なんとかできた)
⑥「この世の中は、自ら求めようとしない人には、なにも与えてくれない。」(行動する事の大切さ)
⑦「自分に優しくすること、自分の味方になることを、身につけなければならない。」(呼吸)
距離にするとたいしたことないけれど、高低差が激しいルートだったので、1時間半ほど歩いたら、もうへとへとです。
参加された方に「松川さん、これじゃ“哲学ウォーク”じゃなくて、“哲学ハイク”だよ!」と言われちゃいました。
たしかに!
途中、「登山か?」って言いたくなるようなとこもありましたもんね。
今度から高低差が激しいときは「哲学ハイク」ってイベント名にしようかしら(^_^;)
一息ついて(乱れた呼吸を整えて)、マスターに淹れてもらったドリンクをいただきつつ、スライドで上記の写真をみながら、それぞれが途中で他の参加者からもらった質問に答えていきます。
答えのなかには、アランの他の言葉を彷彿とさせるものも、ちらほら…。
この日歩いた行程のハードさとアランの言葉を重ね合わせる方も。
最後に感想を語りながら、「困難がおもしろいって本当?」「自分に優しくすること、自分を甘やかすことはちがうの?」などなど、アランの言葉に対するツッコミまくり。
おかげで、一人で読むだけだと鵜呑みにしがちだった箇所も、咀嚼し、もう一度自分なりに捉え直すことができた気がします。
もし再びあの道を歩くことがあれば、たちまち筋肉痛とともに、アランの言葉と、今回の対話を思いだせるでしょう。
(「あんなハードな道は2度と歩かない!」という方もいらっしゃるかもしれませんが。汗)
お付き合いくださった参加者のみなさん、antenna Coffee Houseさん、ありがとうございました。
なかには、今回、コロナ感染状況や距離や様々な事情を考慮して参加を断念せざるをえなかった方も‥‥‥。
ルートや哲学者の言葉は変わるかもしれませんが、また企画しますので、落ち着いたらぜひ!