てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

「ほめたほうがいい?」@大元公民館

11月8日(月)は、大元公民館の子育てモヤッとニコッとカフェでした。

テーマは「ほめたほうがいい?」。

 

「子どもの自己肯定感を高めるために、なるべくほめるようにしている。」

「幼稚園、保育園でも“今日〜をがんばったので、ほめてあげてください”」と言われる。

子ども自身が「見て、見て!」とアピールしてくることも。

などなど、「ほめる育児」の話題。

 

その一方で、「ほめられるのが苦手」という人もちらほら。

苦手な理由や、「ほめる育児」への懸念として、

  • 上から目線
  • 関係性による(先生からほめられるのはOKなど)
  • 相手に何か求められるのではと警戒してしまう(何かお願いされるのかな?相手のこともほめたほうがいい?謙遜しなきゃダメ?などなど)
  • 子どもを操作・誘導してしまうのでは?
  • ほめられないと、やらない子になるのでは?(エンジンを他からもらわないといけなくなっちゃう)

などがあがりました。

 

さらに、「ほめるなんて、挨拶のようなもの。たいした意味はない」という意見や、「そんなにあれこれ考えながら、ほめたことも、ほめられたこともないなぁ。“ほめる”って、もっとふわっと捉えてた!」と驚く声も。

 

  • 「ほめる」と「評価する」や「ノセる(おだてる)」、「賞賛する」とのちがいは?
  • 「ほめる」は道具や手段?
  • ほめるのに気持ちは必要?

といった問いを経由して、

「ほめる」と「一緒に喜ぶ」のちがいから、終盤はしつけの話に至りました。

 

「一緒に喜ぶ」は子ども自身がうれしいことを一緒に喜ぶけど、やはり「ほめる」には、ゆるやかな方向づけがある。

それが、自分の価値観を子どもに押しつけることになってしまわないか?という迷いや懸念。

しかし、「何かを継続してやり続けるには、ほめるだけでは足りないのでは?」という話から、「ほめる」という方向づけは「怒る」よりもゆるやかで、応援にはなっても押しつけにはならないのでは?とも考えられる。

 

そんなことに気づかされた対話でした。

子育てのことだけでなく、対話中に「ほめられるのが苦手」と言ってた人を誰かがうっかりほめそうになって、みんなで笑いながら「いまのは大丈夫?」と確認し合ったり、現在進行形でコミュニケーションについて考えられたのも、おもしろかったなぁ。

 

ご参加くださったみなさん、大元公民館のみなさん、ありがとうございました。

『わたしのせいじゃない』@スロウな本屋

10月2日(土)の午前中は、スロウな本屋さん主催のえほん哲学カフェでした。

今回の1冊は、こちら。

 

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撮影:スロウな本屋

 

いじめに戦争、環境問題‥‥‥あなたが「わたしのせいじゃない」って言いたくなるのはどんなとき?

「はじめたのは、わたしじゃない」、「先生に言いつければいいのに」‥‥‥。教室で泣いている男の子を前に、それぞれの仕方で「わたしのせいじゃない」と訴える14人の子どもたち。その言葉をヒントに、責任について考えてみませんか?

(えほん哲学カフェの案内文より)

 

 

以下、ネタバレご容赦を。

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『せんそうしない』@えほんやさん

10月9日は、“えほんやさん”主催のえほん哲学カフェ。

『せんそうしない』を読んで、語り合いました。

 

ehonyasan.shop-pro.jp

 

 

この絵本の絵を描かれた、えがちゃんことえがしらさんも一緒に!

そして、対話は、そのえがちゃんの「この絵、こわい!」という一言からスタート。

まさか絵を描いた本人が、自分の描いた絵に驚くとは、びっくり!

読んだことのある絵本でも、誰かに読み聞かせてもらうとそれまで気づかなかった何かに気づく、という声はこれまでにもありましたが、作者さんにも当てはまるんですね。

びっくり。

 

そんな意外な仕方でスタートした対話からは‥‥‥

 

「死ぬより先に殺される」の「死ぬ」と「殺される」のちがいは?

戦争で殺されることと、食べるために殺されることのちがいは?

戦争でめちゃくちゃになった街は、過去?現在?未来?

 

絵にひまわりだけですみれがないのはなぜ?

絵にかもめだけですずめがいないのはなぜ?

遠慮?棲み分け?

 

ケンカと戦争のちがいは?

わざわざ他所の地域に出向いて行って攻撃するのが戦争?

個人と集団?

ケンカは相手を知っているからするのに対し、戦争は相手のことを知らない?

 

「正義」の危うさと戦争

男の子のTシャツのデザインと建物

平和と教育

 

などなど、たくさんの「?」や「!」が浮かび上がりました。

 

特に教育については、対話の進展とともに見える地平が変わるような経験も‥‥‥。

中盤は子どもに対して平和教育をどのようにすべきかが話題になったのに対し、終盤は、正義や言葉に関する話題から一様な正義感を植え付けることによって戦争を引き起こしてしまうという教育のリスクについて語られました。

 

 

ご参加くださったみなさん、えほんやさんのみなさん、ありがとうございました。

 

 

えほんやさんのサイトはこちら。

tenkiame.com

 

オンラインショップには、絵本だけじゃなく、かわいいグッズも‥‥‥。

ついつい、絵本と一緒に買っちゃう。