9月23日(木・祝)は、ヨノナカ実習室主催の対話する哲学教室。
こちらのテキストから‥‥‥
第2章の「“美”は事実か?趣味か?」を取り上げました。
最初に、よんでほしい名前とテーマについて一言ずつうかがってから、テキストから、「やぶれかぶれ」のサッカーのシュートについて美しいかどうか議論する二人の対話を読んだあと、感想を語り合います。
サッカーだけじゃなく、フィギュアスケートや野球、芸術作品、風景、心‥‥‥オペレーターの仕事のなかで感じた「美しい仕事」の話をしてくださった方も!
- 心が動かされることと美しいの関係は?(wonderfulとbeautiful)
- 型の美しさと、物語的な美しさ
- 成熟しないとわからない美しさもある?
- 美しさがわかるってどういうこと?
‥‥‥などについてある程度考えたたところで、一回、休憩。
後半はテキストから、「人間は生まれながらに美を知っている」というソクラテスと、「経験をとおして美を知る」というヒュームの思想をご紹介。
ソクラテス派の人とヒューム派の人、それぞれからその理由を聞いたり、「ここはソクラテスだけど、ここはヒュームかなぁ」なんてやりとりしつつ、前半の内容と行きつ戻りつしながら、さらにテーマについて深めたところ、さらに‥‥‥
- “美”と“美しい”とで印象がちがう?
- 美と正しさは関係がない?
- 経験によって美に近づくことはできる?
といったポイントが浮上してきました。
ソクラテス派の人の意見もかなり説得力があったのだけど、個人的には、ソクラテス派の人がはっきりソクラテス派なのに対して、ヒューム派の人が「美についてはヒューム派だけど、正しさについてはソクラテス派」と言ってたのも、興味深かったです。
なんだか、美(あるいは美しさ)というものの特性を理解する、大きなヒントがありそうなんだよなぁ。
年代順に思想を紹介する哲学史の本で学んでも、こういう発想は出てきにくそう。
このテキストと対話だからこそ出てきそうな発想だな、という意味でもうれしかったです。
終盤は、ゴッホの絵の例(ゴッホの絵がなぜ生前評価されなかったのか、なぜある時代から評価されるようになったのか、ゴッホの絵の美しさはどこにあるのか)を通して様々な視点から美と経験の関係が吟味されると同時に、「経験ってなんやねん!?」といった問いが投げかけられる展開となりました。
何度か明石高専の授業でも扱ったことのあるテーマとテキストでしたが、こうして3時間みっちり対話するのもいいなぁ。
あっという間の3時間でした。
「美」「真」「正義」「神」の節から順に1章ずつ取り上げているので、次回は別の章になると思うけど、同じテキストに芸術に関する章(「“アート”の目的とはなにか?」)もあるので、いつかそちらを取り上げるのも楽しみです。
ご参加くださったみなさん、ヨノナカ実習室さん、ありがとうございました。
※「ヨノナカ実習室ってなに?」という方は、こちらのブログをどうぞ。
yononaka-jsh.hatenablog.com
追記(2021.10.6)
その後、ヨノナカ実習室さんのブログにも、報告記事があがったのでリンクはっておきます。(参加され方の感想のリンクもあるよ♪)
yononaka-jsh.hatenablog.com