てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

差別ってなに?@ヨノナカ実習室

4月3日(土)はヨノナカ実習室主催の対話する哲学教室。

こちらのテキストから今回は第9章です。

前回と同じく会場とオンラインのハイブリッド開催で、

まずは音声確認がてら、ひとりずつ「これって差別じゃないかなぁ」もしくは「これは差別じゃない」と思うことを。

 

「お風呂は女があと」のいえ、

特別支援学級

「クィーンサイズ」「シンデレサイズ」が区切られた靴売り場、

色鉛筆の「肌色」問題(日本では「肌色」がなくなって「薄橙」になってるけど、海外には何色も「肌色」があるセットもあるとか)…。

 

それと、テキストのマルコムXの自伝とを行きつ戻りつしつつ、

 

配慮が差別になっちゃうのはどんなとき?

差別と区別はどうちがう?

そもそも、なぜ区別するの?

 

「差別」と「区別」と「配慮」を中心にぐるぐるぐるぐる。

 

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後半は、コーネルの「積極的差別是正措置」とロールズの「無知のヴェール」をご紹介。

ここでもやっぱり、

「配慮をずるいと感じてしまうのはなぜだろう?」

「それでもやっぱり、区別がなくないのか?」

と「差別」と「区別」と「配慮」がぐるぐるぐるぐる。

 

あと、対話の中心ではなかったと思うけど、個人的に、

「コーネルさんはなぜこんなもってまわったわかるにくい表現をするのか?」、「コーネルさんよりロールズさんの考えに余裕が感じられるのはなぜだろう?」

といった疑問にも、考えさせられました。

既存の差別を強化することなく差別について語ることができるか?

語る人の立場は考えや言葉の意味にどう影響するか?

差別について語ることの難しさを、コーネルやロールズも感じていたかもしれない。

そんなことを感じました。

 

ご参加くださったみなさん、ヨノナカ実習室さん、ありがとうございました。

 

 

「常識と非常識」@Ziba Platform

ブログでのレポートが遅れがちですが、最近、新しい企画やオンラインセミナーで、このブログの備忘録が役立つこともあるので、ちゃんと書いておこう。

 

3月27日(土)は、2ヶ月に1回開催しているZiba Platform主催のオンライン哲学カフェでした。

テーマは「常識と非常識」。

 

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2021.3.27「常識と非常識」松川メモ

 

常識は時によって変わる

常識は場所によって変わる

常識には理由がある?ない?

常識は文化?

常識は役に立つ?常識がないと何が困る?

初対面の人と親しい人で、常識的にふるまうかどうか変わる?

非常識は失礼?

非常識にあこがれるのはなぜ?

常識は決まりごと?

 

 

どの論点もそれぞれに盛り上がりましたが、どの論点から掘っていっても、いつのまにか「場所や時によって変わる」というポイントに舞い戻ってくるのが、おもしろい!

それに関連して、なかでも「common sens(常識)のcommonというのは、囲われてはじめて成り立つものだ」という指摘が、新鮮で印象に残りました。

これまでも似たようなテーマで哲学対話したことはあると思うけど、これは私が参加・進行したなかでは初めての指摘だったんじゃないかなぁ。

 

また、常識に理由があるかどうか、その理由を共有できてるかどうか、理由があるものを“常識”と呼ぶべきかどうかも、なかなか気になるポイントでした。

実際、終盤に「図書館へ本の返却が遅れるのは、ありかなしか?」という話になり、それぞれの意見を詳しく聞いてみるとそれぞれに理由はある。

けど、どの理由もよく聞いてみるまでは共有できてない。

「これぐらい常識でしょ」と誰かがおもっていても、その理由までは共有できてないし、「常識」とは言えないなぁということを対話のなかで実感しました。

また、まちなかライブラリーのひとつとして図書館的な役割も担っている主催者のZiba Platformさんにとっても、具体的な気づきやヒントのある対話となったようです。

 

 

 

次回のZiba Platformでの哲学カフェは、5月。

次回はちょっと特別な企画となる予定です。お楽しみに♪

説明が伝わるということ@探偵ナイトスクープ

ただの雑談ですが‥‥‥
今日はオンラインセミナー「対話の地図の描きかた」のあと、
お昼ごはんを食べながら、4月9日放送の探偵ナイトスクープを観ました。
 
なかでも、3つめの「小2の娘が抱えるお金の問題」がめっちゃ好き。
哲学対話をする人にもぜひ観てほしい。
 
正しいと思うことをがんばって説明しても、相手のツボを押さえてなければ伝わらないし、ちゃんと相手のツボを押さえてれば伝わるということが、すごくよくわかる。
あと、人がほんとに納得したときって、こういう感じだよねって思う。
 
TVerなら、録画してない人も4月17日まで無料で観れます。
 
その前の2つの依頼も、ナイトスクープらしくて生きる勇気が湧きます(笑)。
この世界にはいろんな人がおっておもろいなぁ、アホなところも含めて愛しいなぁ、ってことを感じさせてくれる番組。