てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

お金を考える対話2つ@人おこし、Ziba Platform

たまたまですが、今月は、お金に関する哲学カフェが2つありました。

それぞれに違う角度からお金について考えることができたので、ふたつまとめてふりかえってみましょう。

 

1回目は11月14日(土)、NPO法人山村エンタープライズさんが運営しているシェアハウス「人おこし」にて。

hito.sanson.asia

 

毎月お世話になっている就労移行支援施設フリーデザイン岡山さんが、こちらでキャリアデザインワークショップをしているらしく、そのご縁で。

「お金と仕事」について、じっくり話してみようということでお邪魔しました。

 

この日は、ちょうどランチがたこ焼きパーティだったようで、

「お金をしっかり稼いでから世界一周するのと、たこ焼き焼いて稼ぎながら世界一周するのと、どうちがう?」という話で盛り上がったり、

自分が生きていくのにどれぐらいお金が必要かきっちり計算している人と、あまり考えてない人のギャップに驚いたり、

「時給800円って決まってると、800円分しか働く気が起こらない」問題から、仕事とそれ以外の時間をきっちり分けられるかどうか問題や、対価はどうやって決めるべきか問題へ発展したり、

個人的には「サービスを受けるときは先払いが多いのに、なんでお給料もらうときは後払いなの?」という先払い/後払い問題もめっちゃツボでした。

 

 

2回目はその1週間後の11月21日(土)、おなじみ津山のZiba Platform主催のオンライン哲学カフェ。

www.facebook.com

 

3月にとりあげる予定だったのにコロナの影響で流れてしまっていたテーマ、「お金で買えるもの/買えないもの」について話し合いました。

 

意外だったのが、投資の話と教育費の話題が結びついて盛り上がったこと。

お金関係のお仕事をされていたという方と、他に教育費に関心ある方が複数いらっしゃったことによる、化学反応でしょうか。

こうした偶然の出会いによる化学反応は、哲学カフェならではだな〜と思います。

ときおり他の例(ライブ、映画デート、夕飯の材料)もはさみつつ‥‥‥

 

教育費を払う人は誰?

経験はお金で買えるか?

愛とお金の関係は?

情報を買うのと物を買うのはどうちがう?

 

‥‥‥といった問いを絡めながら、最後まで投資ー教育費が対話の中心(ベース?)となり展開しました。

 

みなさんのお話をききながら「投資」の特徴を考えるうちに、「あれ?これって、いわゆる“投資”と呼ばれるものだけじゃなく、日常の買い物でも投資的な側面があるのでは?」と思って、途中、ちょっとつっこみすぎたかも?

「アボカドを買う時は、けっこう投資感がある」*1と言ってみたものの、お金を扱う仕事をされている方の投資のイメージとは、だいぶちがったみたいです。笑

しかし、だいぶ遠く感じていた「投資」のイメージが対話の前後で揺れ動き、身近に感じられたのは収穫でした。

 

今回ポイントとしてあがったお金で買える経験とお金で買えない経験のちがいについても、もう少し考えたいな。

 

お金って、すごく身近だけど、家族以外とじっくり話す機会がなかなかないので、こうやっていろんな人と考えを交わす機会は貴重ですね。

 

ご参加くださったみなさん、主催者のみなさん、ありがとうございました。

 

*1:リスクが高いのと、寝かせ方が重要だからかな?

『ともだちや』with アテナの広場@なつめ塾

今日はアテナの広場さん主催、なつめ塾を会場に、小学4年〜中学2年の6名と一緒に、こどもてつがく。

わたしが大好きな絵本『ともだちや』を読んであれこれ語り合いました。*1

 

ともだちや (「おれたち、ともだち!」絵本)

ともだちや (「おれたち、ともだち!」絵本)

 

 

キツネが1時間100円で「ともだちや」をするお話です。

 

キツネとオオカミがトランプをしてるシーンは、ともだちっぽい?ともだちっぽくない?

キツネとオオカミはいつからともだち?

最初のお客さんであるクマに苦手ないちごを勧められて、キツネが断れなかったのはなぜ?

自分がキツネの立場だったらどうする? クマの立場だったら?

オオカミがいちごを勧めてたらどうなったと思う?

 

などなど、絵本をめくっていったりきたりしながら、がっつり「友だちとはなにか?」に向き合う時間となりました。

苦手なものを勧められて断れるかどうかとか、すごくリアルで、今後の人間関係に役立ちそうなヒントがいっぱい!

 

また、そこから、「仕事だったら嫌なこともしないといけないか?」という問いについても最後にちらりと考えることができました。

この絵本は大好きで、何度もいろんな人と読んできたけど、「仕事」や「働くこと」について考えたのは初めて!

何度も読んでる絵本でも、みんなと対話するうちに、また新たな疑問が湧いてくる。

そういうもんだとわかっちゃいるけど、やっぱり実際に体験すると感動するなぁ。

 

学校の授業は1時間弱ってことを考えると、2時間って長すぎるかなぁと思ったけど、むしろ時間が足りないと感じるぐらい大盛り上がりしてしまった。

 

たっくさん話した人も、ときおり端的なコメントをはさみながらニコニコときいてくれた人も、それぞれに発言するだけじゃなく態度からもお互いの話を聞いてくれてることが伝わってきてうれしい。

話す順番に迷った時など、対話づくりについても進行役をサポートしてくれて助かりました。

 

 

帰り際に「こういうの、またある?」「また会える?」ってきいてくれた人がいたので、ぜひまたやりたいな。

みんなの「やりたい」が、周りの大人のサポートを引き出してくれる気がします。

 

今回、ご協力くださった、なつめ塾さんのサイトはこちら。

natsumejuku.site

 

ご参加くださったみなさん、ご協力くださったみなさん、ありがとうございました。

ぜひまたお会いできるのを楽しみにしています♪

*1:イベントでの絵本の使用については、著作権保護のため、偕成社さんにあらかじめ問い合わせし、許可をいただきました。

「いい夫婦って?」@大元公民館

昨日11月19日(木)は、大元公民館にて、子育てモヤッとニコッとカフェでした。

テーマは、「いい夫婦って?」

 

これまで別のテーマで話してても夫婦の話がちょこちょこ出てましたが、改めてテーマにすると、また別の視点から見つめ直すことができて、いいですね。

誰かが夫に対してモヤッとしていることに対して、男女問わず「それ、私のことだ〜」という人がいて、双方の立場から齟齬を確認したり、

これまでは社会的なジェンダーバイアスの影響の話が多かったけれど、昨日はもうちょい内面的な話もできたりした気がします。

 

特に盛り上がったのは、「夫婦の対話をサポートする気軽なサービスがあればいいのに!」という話でしょうか。

「保険の更新のときのオプションサービスにあればいいんじゃない?」「いやいや、オプションじゃなくて義務にしてほしい!」なんてやりとりも‥‥‥。

 

あと印象に残ってるのが、夫婦で一緒に何かを成し遂げた経験を大事にしているというお話。

ゲームをクリアするでも、家電を買いにいくとか、そういう小さなことでも。

夫婦って役割分担することも多いけれど、あれこれ分担しているうちに、共通のミッションが見えなくなったり、相手の状況の変化に気づけなかったり、お互いが思い描いている役割に齟齬が生じたりしてしまうこともある。

一緒に何かをすることによって、そういう齟齬について話しやすくなったり、お互いへの信頼が回復したりすることもあるのかな?

特に子育てについては、夫からは妻の仕事に見えやすいけれど、妻は二人の仕事と認識していたり‥‥‥という齟齬が生じやすそうなので、ファミリーサポートなども活用しつつ二人の時間をつくることも必要かもしれません。

 

大元公民館の地域は、転勤で岡山にいらっしゃって県外の親戚や友人は頼れないという方も多い地域。

夫婦の協力関係も、公民館が果たすべき役割も、より大きい気がしました。

 

ご参加くださったみなさん、大元公民館のみなさん、ありがとうございました。