てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

「自慢話は鼻につく?」@高島公民館

あれこれレポートしなきゃいけないことが溜まってるのですが‥‥‥

今日は、岡山市立高島公民館の哲学カフェ、ふたばカフェでした。

テーマは、「自慢話は鼻につく?」。

 

序盤は、いろいろ例をあげながら、どんな自慢話が鼻につくのか、自慢話が鼻につくのはなぜなのか、などなど話していたのですが、「全く鼻につかない、というか、人の話をきいて自慢話だとも思ったことがない」という人もいて、どよめく一同。

鼻につかない人の話もヒントにしながら、

 

自慢話は全て鼻につくのか、それとも鼻につかない自慢話もあるのか?

それは話す人に原因があるのか(悪意や優越感がある)、

聞く側の問題なのか(徳のなさ、「平等であるべき」と思ってる、うらやましさ)、

それとも関係性の問題なのか?

ただの話が自慢話になる瞬間、何が起こってるの?

 

などなど、考えました。

 

個人的に印象にのこったのは、「自慢話は一方的」という指摘かなぁ。

わたしはわりと自慢話も気にしないほうなのですが、ちょっといやなだなぁと思うときもあって、それは双方向なやりとりができなくて寂しいからかもしれない、と気づかされました。

 

あと、終盤にでた「自慢話をなくすのは難しいけど、鼻につかないようにすることはできるのでは?」という視点もおもしろかったです。

「その話をして私に褒めて欲しいのですか?」と質問してみるとか、

「これから自慢話をするから、褒めてください」とお願いするとか。笑

 

 

次回のふたばカフェは、11月18日(月)。

テーマは、「なぜ買ってしまうのか?」

午後からは来年1~3月の日程やテーマについての打ち合わせも行う予定です。

 

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高専での哲学対話の可能性を考える

わたしが〈てつがくやさん〉になろうとおもったのは、

哲学カフェで生活費を稼ぐというだけじゃなく、

てつがくやさんの仕事の開拓を通して哲学の新たな可能性を切り拓くため

でもあるのですが、これもその一つ。

 

フツーに「哲学概論」を教えている非常勤先、明石高専で、

情報工学の先生と新たに、対話をとおして情報倫理の問題を考える授業を開拓。

カフェフィロや大阪大学臨床哲学の仲間と一緒に試行錯誤で進行すること5回。

最終回は他所の高専で哲学対話に取り組む方もお招きし、

対話を振り返ったり、高専での哲学対話の可能性を考えたりしました。

 

cafephilo.jp

 

 

同じ高専といっても、学校ごとに科目設定や教員の割り当てがちがうので、

何年生にどういう授業で何をするのか、様々であることがわかります。

哲学教員によってこだわりがちがうというより、

それぞれの枠組みのなかでそれぞれができることをやってるという感じ。

高専に限らず「授業で哲学対話をしてみたいけど、どういう枠組みで?」

と迷う先生の参考になるかもしれません。

 

ご関心のある方は、企画をしてくださった情報工学の先生、佐村さんの論文

「指針の空白を埋める情報道徳教育」

もぜひ合わせてどうぞ。

 

 

 

「世の中ってどこにあるの?」@ヨノナカ実習室

知り合いが、スロウな本屋さんのお隣で、ヨノナカ実習室なるものをはじめました。

 

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なんかいろいろ「実習=実際にやってみる」ところらしい。

 

それなら、哲学もやってみよう!

というわけで、開局祝いとして哲学カフェをプレゼントすることにしました。

「ヨノナカ実習室」だから「世の中」に関するテーマがいいなと相談した結果、テーマは「世の中ってどこにあるの?」に。

 

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みなさんが来る前に、パチリ。

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「『世の中』に自分も含む?含まない?」

「家のなかも、世の中?」

「『世の中』と『世間』や『社会』のちがいは?」

「『世の中に貢献する』ってどういうこと?」

「『世の中に出る』とは言うけど、『世の中に入る』とは言わないのはなんで?」

「なんで“ヨノナカ実習室”はカタカナで“ヨノナカ”なの?」

などなど、いろんな疑問を行き来しつつ、楽しく展開。

 

後半は、「学校も世の中?」「学校で学んだことは、世の中に出るのに役立つ?」いった疑問から、世の中と学校の関係や、「世の中に出るために必要な学びって?」をめぐって盛り上がりました。

 

話しながら、参加者に高校生や学校の先生が混じってることはわかりましたが、終了後、そのうちのふたりが、同じ学校の先生と生徒だということがわかって、びっくり!

哲学カフェ中、先生と生徒感が全然なかったから。

でもそれが、哲学カフェのいいところですよね。

知ってる人とも普段の関係性を超えて話せる。

 

「世の中って」ネガティブなイメージで使われることも多い言葉だけど、ヨノナカ実習室を通して新たな「ヨノナカ」をつくっていけるといいなぁ。

そんな思いに至る哲学カフェでした。

 

 

そして今週末は、お隣のスロウな本屋で、えほん哲学カフェです!

 

 

slowbooks.jp

 

なかなか納得のいく絵が描けない絵描きが、最後には満足そうなのはなぜなのか?

納得いく仕事や生き方を模索してる人と一緒に読んでみたい一冊。

「それ、わたしのことだ!」という方は、ぜひどうぞ。