てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

「占い、信じる?」@リトルプラス

1月22日(火)は、玉野市のリトルプラスで哲学カフェをしてきました。

(リトルプラスに通われている方が対象なので、広報はしていません。あしからず)

 

little-plus.jp

 

テーマは、「占い、信じる?」。

宝湯の哲学カフェのテーマがよかったので、テーマ候補のなかに入れてみたら投票で見事に選ばれました。

科学と占いの共通点と相違点など、宝湯の哲学カフェと重なるところもありつつ、「根拠がない」について細かい吟味がされたり、関心がある人とない人の違いについて考えられたり、また新たな角度で考えることができました。

 

「なぜ、わざわざ悪いことを伝えるんだろう?」

「一人で生きていく自信がないから拠り所がほしくなるけど、自分の人生は自分で切り開くものと思っている人は関心がないかも」

といった独自の切り口で一貫して考え続けてくれた人もいれば、話し合う内に異なる角度からの発見のあった人も。

 

最初は、「信じない」と言ってた人が「信じてない、というわけではないかも。見たら気になっちゃう」と気づいたり、

反対に、気にしてるのかなと思われていた人が「気にしているようでいて、意外とすぐ忘れちゃう」と気づいたり、

「根拠がないから信じない」と言ってた方が、「3,000人占うと一目でどういう人かわかるようになるらしい」という占い師さんの言葉を聞いて、「心理学的な理論だけを知っている人より、3,000人みたという経験のほうが信憑性が高い」と指摘してくれたり。

 

占いという切り口から、それぞれの物事の捉え方や人生観が見えてきておもしろかったです。

途中で、関心がある人とない人の違いに注目することで、占いに関心がない人の話も聞けたのがよかったかな。

「関心がない」というなかにも様々な理由がある、というのは、今後、他のテーマについて話し合う際も忘れずにいようと思います。

 

「人生で大切にしていること」@岡山市立高島公民館

1月17日(木)は、岡山市立高島公民館の哲学カフェ、ふたばカフェでした。

テーマは、「人生で大切にしていること」。

 

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ふたばカフェ 2018年度冬期

 

最初にこのテーマを提案してくださった方に提案の動機をうかがったところ、「自分にはそういうのがない」けど、「あったほうがいいんじゃないか」、とのこと。

 

ひとりひとりの「人生で大切にしていること」を聞いてから、テーマについて掘り起こすような展開になるのかな〜と予想していたのですが、実際の展開は全く逆でした。

ふたりから具体的な「人生で大切にしていること」が出た後、早々に、

  • 意識していないけど、大切にしていることもあるのでは?
  • 死を意識すると、大切にしたいことが明確になったり変わったりするのはなぜ?
  • 大切にするとは、単に「〜したい」という希望とは違う。したくないけど必要なこともあるんじゃないか?
  • 人生で大切にすることは、自分を大切にすることと同じ?
  • 大切に思っているからといって、大切にできているとは限らないのでは?

‥‥‥といったテーマそのものの前提を掘り返すようなポイントがいくつも出てきて、びっくり。

それらのポイントを、後半少しずつみんなの具体的な「大切にしてること」と照らし合わせながら確認していくような展開となりました。

 

それぞれの『人生で大切にしていること』も、

「いまやりたいことをやる」「意志とご縁」というような行動や判断の指針だけでなく、

「若い頃は学業や仕事が大切だったけど、いまは家族や周囲の人との絆が大事」と変化を指摘する方、

「毎月、講演を聞きにいくようにしている」といった習慣的な行為、

「偶然出会った人との一期一会のやりとり」と過去にあった出来事や思い出、

「『してやった』感を出さない」といったその人の美学と呼べそうなもの

‥‥‥などなど多岐に渡り、「そうか、そういうタイプの『人生で大切にしていること』もあるのか!」と興味深かったです。

 

終盤には、「自分には、そういうのが全然ない」と言っていたテーマ提案者が、「いろんな話を聞いているうちに、自分の中にも『人生で大切にしてること』があるって気づいた」と3つも挙げてくださいました。

わたし自身も、いろんな人の「大切にしていること」を聞くなかで、「そういえば‥‥‥」と思い出すことがちらほら。

 

予想していたのと全然ちがう展開。

そして、他者の言葉を聞いて、新しい視点や発想を得ると同時に、自覚していなかった自分の一面への気づき。

 

ともすれば、それぞれの「人生で大切にしていること」を聞いて、「人それぞれだね〜」で終わってしまいそうなテーマですが、参加者のみなさんのおかげで、しっかり哲学の醍醐味を味わえる回となりました。

ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。

 

次回のふたばカフェは、2月15日(金)。

テーマは「人の目気になる?気にならない?」です。

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家族のためのがんカフェ by. 第2の患者会 すろーす

1月16日(水)は、家族のためのがんカフェでした。

 

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ウェブサイトのほうにちらりと書きましたが‥‥‥

こちらのイベント、昨年は実験的な試みということで、カフェフィロ主催で開いてきました。

が、予想以上に多くのご賛同をいただき、より継続的に充実した活動を行っていくため、当事者でもありコミュニティナースでもある菱沼路代さんとともに、新たに任意団体第2の患者会 すろーすを立ち上げました。

 

「すろーす(sloth)」は英語でナマケモノを指す言葉ですが、もともとの語源は「ゆっくり(slow)」だそうです。

治療のサポートやお仕事などで忙しい日々を送る「第2の患者」のみなさんが、ゆっくり対話を通して自分に向き合う時間を提供できれば、という思いを込めました。

 

‥‥‥とまぁ、それはそれで本心なのですが、きっかけは、団体名をどうするか思いつかず困っているときに見つけた、こちらのナマケモノティッシュケース。

 

セトクラフト 珍獣シリーズ アニマルティッシュケース(ナマケモノ) SF-3521

セトクラフト 珍獣シリーズ アニマルティッシュケース(ナマケモノ) SF-3521

 

 

これいいやん!ティッシュはこの会の必需品やし、これ欲しい!と決めたのでした。

というわけで、ただいま、すろーすくん購入のための募金も募っております♪

 

さて、すろーす設立後第1回となった今回は、こんな話題がでました。

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2019.1.16 家族のためのがんカフェ

 

がんについて、というより、家族についてたくさん考えた回でした。

がん患者の家族といっても、夫婦、親子、義父母と関係はいろいろ。

一緒に暮らしている方もいれば、遠く離れて暮らしている人も。

そして、もちろん、ご家族の病いの状況や告知の時期もいろいろ。

病いによって家族関係が浮き彫りになったり、病いと向き合うなかで家族との関係が変わったりすることも(「前より近くなった」という声も)。

妻として、親として、子どもとして、嫁として‥‥‥異なる立場の人の声に耳を傾け、自分の家族の状況を言葉にしてみることで、「うちはこうだな〜」「相手からみたらこうなのかな?」と自分と家族との関係に気づかされたり考えたりする時間になったような気がします。

 

ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。

 

2月は17日(日)に遺族のためのがんカフェを開催します。

初めての、日曜開催! お待たせしました〜。

参加を希望される方は、イベントページにある連絡先へ、お申し込みください。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

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