1月17日(木)は、岡山市立高島公民館の哲学カフェ、ふたばカフェでした。
テーマは、「人生で大切にしていること」。
最初にこのテーマを提案してくださった方に提案の動機をうかがったところ、「自分にはそういうのがない」けど、「あったほうがいいんじゃないか」、とのこと。
ひとりひとりの「人生で大切にしていること」を聞いてから、テーマについて掘り起こすような展開になるのかな〜と予想していたのですが、実際の展開は全く逆でした。
ふたりから具体的な「人生で大切にしていること」が出た後、早々に、
- 意識していないけど、大切にしていることもあるのでは?
- 死を意識すると、大切にしたいことが明確になったり変わったりするのはなぜ?
- 大切にするとは、単に「〜したい」という希望とは違う。したくないけど必要なこともあるんじゃないか?
- 人生で大切にすることは、自分を大切にすることと同じ?
- 大切に思っているからといって、大切にできているとは限らないのでは?
‥‥‥といったテーマそのものの前提を掘り返すようなポイントがいくつも出てきて、びっくり。
それらのポイントを、後半少しずつみんなの具体的な「大切にしてること」と照らし合わせながら確認していくような展開となりました。
それぞれの『人生で大切にしていること』も、
「いまやりたいことをやる」「意志とご縁」というような行動や判断の指針だけでなく、
「若い頃は学業や仕事が大切だったけど、いまは家族や周囲の人との絆が大事」と変化を指摘する方、
「毎月、講演を聞きにいくようにしている」といった習慣的な行為、
「偶然出会った人との一期一会のやりとり」と過去にあった出来事や思い出、
「『してやった』感を出さない」といったその人の美学と呼べそうなもの
‥‥‥などなど多岐に渡り、「そうか、そういうタイプの『人生で大切にしていること』もあるのか!」と興味深かったです。
終盤には、「自分には、そういうのが全然ない」と言っていたテーマ提案者が、「いろんな話を聞いているうちに、自分の中にも『人生で大切にしてること』があるって気づいた」と3つも挙げてくださいました。
わたし自身も、いろんな人の「大切にしていること」を聞くなかで、「そういえば‥‥‥」と思い出すことがちらほら。
予想していたのと全然ちがう展開。
そして、他者の言葉を聞いて、新しい視点や発想を得ると同時に、自覚していなかった自分の一面への気づき。
ともすれば、それぞれの「人生で大切にしていること」を聞いて、「人それぞれだね〜」で終わってしまいそうなテーマですが、参加者のみなさんのおかげで、しっかり哲学の醍醐味を味わえる回となりました。
ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。
次回のふたばカフェは、2月15日(金)。
テーマは「人の目気になる?気にならない?」です。