哲学プラクティス(哲学対話)に関する初めての共著論文。
私の主な担当は、「4−1.育児サークルでの哲学カフェ」(pp.149-154)。
他の考察はほとんど、臨床哲学研究室の先生・先輩でもある他の執筆者に頼りきりでしたが、この箇所の考察、特に「進行役はニュートラルな立場ではない」「その場にいる参加者との関係のなかで付与される社会的属性を脱ぎ捨てることはできない」という点にはこだわり、実践経験と齟齬のないよう何度も推敲を重ねました。
- タイトル:「哲学カフェ探求:活動とインタフェイス」
- 著者:本間直樹、高橋綾、松川絵里、樫本直樹
- 掲載誌:『臨床と対話』(大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」研究報告書2004-2006 第8巻)
- 発行:大阪大学21世紀COEプログラム「インターフェイスの人文学」
- 発行日:2007年1月31日
- 掲載ページ:pp.127-166(本文PDF)
概要
本稿は、「哲学カフェ」を「ともに考え、 議論する」という哲学の社会的実践 、新しい活動のかたちとして描くとともに、 この哲学的議論の実践 ・活動が、それ以外の活動のインタフェイ スとして果たす役割の可能 性 について考察する。まず、フラ ンス にて開花した哲学カフェの歴史と形式、そして、 哲学カフェの社会的背景について簡 単に述べ 、 次いで、社会的実践と活動の観点から哲学的議論および哲学カフェを考察する。さらに、 実際に行われている実践例を通して、哲学カフェが活動としてどのように人々のなかで営まれているのかを具体的に考察する。最後に、これまでのまとめと、 さらに広い社会的観点から哲学カフェの活動がどのように位置づけられるのかについて論じる。