今日は、1日ぬかdayでした。
「ぬか」は生活のケアを柱として、アートを活用した自分らしい生活をおくることのできる福祉事業所です。「ぬか」という一風変わった名前の由来は、漬け物などを 漬けて発酵させる「ぬか床」から来ています。正面から捉えるとひるんでしまうことも、ちょっと角度を変えてみれば、だれも気付けなかった価値が生まれたりする。そういった価値や個々の魅力が「ぬか漬」のように時間をかけてゆっくりと発酵し、社会へと広がって行くことを願って付けました。
午前はアトリエぬかごっこ(放課後デイサービス&アトリエ)で、子どもたちと哲学対話。
午後は生活介護事業所 ぬか つくるとこで、ぬかびとさんたちと哲学対話。
午後のぬか つくるとこがどうなるか予想がつかなかったので、念の為、てつがく占いの道具をもっていったのですが‥‥‥午前のぬかごっこで問いを募集したら、なんとなく占い向きの問いが出てきたので、急遽、朝からてつがく占いをすることに。
それぞれおみくじに好きな言葉を書いて、「ポエ」と呼ばれるサイコロを用意して、いざカミサマへ質問!*1
最初のカミサマへの質問は、「地球を守るにはどうしたらいい?」。
カミサマの答えは「よく寝た」。
よく寝ることが地球を守ることにどうつながる?
「よく寝ると、地球を守るパワーが出る」「よく寝ないとイライラして、ゴミが増えちゃう」「よく寝たら、いいアイデアが出る」etc.
二つ目の質問は「宇宙の果ては?」。
それに対して、カミサマは「心に正直に」。
「宇宙の果てはわからないから、心のままに想像しよう」、「宇宙の果てを知りたいという心に正直になると、科学の発展を願うことになる」「宇宙の果てに行くための行動をすることでは」「宇宙の果てが遠くにあるとは限らない。宇宙の果ては、自分の心のなかにあるかもしれない」etc.
質問とカミサマの答えがどう関係するのか、あれこれみんなで考えてみる。
二つ目の答えの解釈をあれこれ捻り出してるとき、ある子がつぶやいた。
「正直ってなに?わかんない」
たしかに、正直ってどういうことだろう?
もう一度カミサマにきいてみよう。
そう思って「正直ってなに?」と言ってくれた子にサイコロをふってもらったら、裏と裏。
どうも、カミサマは怒ってるらしい。怒っているから、質問には答えてくれない。
うーん、なんでカミサマは怒ったんだろう?
「たくさん質問したから疲れたんじゃない?」
「きいてばかりじゃなく、自分たちで考えなさいってことじゃない?」
なるほど、たしかにこれは自分たちで考える甲斐のありそうな疑問だね。
というわけで、残りの時間はじっくりこの問いについて考えてみることに。
「正直ってどういうことだろう?」
「自分の気持ちに素直になることだと思う」
「いつでも正直なほうがいい?」
「ううん。『嘘も方便』って言葉があるから、ちがうと思う」
「『嘘も方便』ってどういうこと?」
「正直に言ったら、友だちが困っちゃうこともある」
子どもも大人も、輪に入ってがっつり全力でフル参加する人もいれば、輪の外で工作したり戯れあったりしつつ、「正直、ココアが飲みたい!」「嘘も方便の例あります!〜〜」「現場からは以上です」などなど断片的に参加する人も。
サッカーのTV実況・解説に割り入ってくる、ピッチレポートみたいwと思いながら、ぬかごっこらしい対話の時間を堪能。
「嘘も方便」派がたくさんいる、でも輪に入りたい人は入るし入りたくない人は入らない、輪に入ってなくても発言したくなったら発言するよという、わりと正直めな現場でした。
午後のぬか つくるとこの様子は、また改めて。