『激レアさんを連れてきた』というTV番組が好きで、ときどき観るのですが、
前回の「18歳で交通事故にあって、記憶喪失になり人間の生活習慣全部を忘れてしまったが、奇跡的に社会にカムバックを果たした人」(2019年8月3日放送)は、過去最高に哲学的な回だったと思う。
8月17日まで、こちらで観れるそうです。
以下、ネタバレご容赦ください。(視聴後の閲覧をおすすめします。)
ごはんを食べる、トイレにいく、お風呂に入る‥‥‥
私たちにとっていつのまにか当たり前になってしまったそれらの行為が、
なんの思い込みもなく体験すると、どう感じられ、どう捉えられるのか。
見事な描写に「はー!」と感心しながら、大笑いしながら観ました。
なかでも、一番興味深かったのが、「寝る」の習得。
夜眠くないのに、お母さんに「もう夜だから寝なさい」と言われ布団に入ったものの、全然眠くならないツボクラさん(実年齢18歳だけど中身は赤ちゃん)。
夜中3時に、「人はなぜ夜寝るのか?」とお母さんを質問攻めに。
果たしてお母さんの回答はというと‥‥‥
「みんな寝るから、うちも寝るの!」
それまで、「A:なんかええやん」か「B:なんか嫌やな」か、
快と不快しか行動指標のなかったツボクラさんの世界に、
「C:みんなやってる」という第3の指標が現れた瞬間でした。
そうか、「みんなやってる」って指標は、善悪の指標なんかよりずっと早くから埋め込まれるんだなぁ。
根深いなぁ。
わたしは子どもの頃からけっこう夜更かしさんだったので、
ADSLが普及しはじめたときとか、
一人暮らしをはじめて夜コンビニ行ったときとか、
「世の中の人って、本当に夜寝てるんだ!」とびっくりした覚えがあります。
夜はネットの更新も少ないし、
出歩いてる人もほとんどいないし、
住宅街の照明があまりついてない。
みんな寝るフリしてるだけで、けっこう起きてるんだろうと思ってたけど、
みんな、みんな寝るから、夜寝てるんですね。