てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

えほん哲学カフェ『おとなのなかのこども』(1)

昨日3月5日(日)は、こちらの絵本でオンラインえほん哲学カフェでした。

 

おとなのなかのこども|オンラインショップ|スロウな本屋

 

 

子どものみんなは、どんな大人のなかにも、子どもがいるって知ってるかな? 大人たちは、いそがしくって、もうくたくただってふりをして、なかにいる子どもをかくそうとするんだ。でも、そんなことはできっこない。ときどき大人のなかの子どもたちは、遊びたくって外に飛び出しちゃうんだよ!(絵本紹介より)

 

絵本を購入したのはだいぶ前だったのですが、ちょうど絵本選びをしているとき、毎日小学生新聞で「どうして大人になっていくの? 子どものままでもいいのに」という小学3年生からの問いについて考えている最中で、改めてこの絵本について他の人の感想をきいてみたいな、と。

 

 

以下、ネタバレご容赦を。

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「人を大切にするってどういうこと?」@高島公民館

昨日は岡山市立高島公民館の哲学カフェ、ふたばトークでした。
はじめましての方が2名、テーマに惹かれて参加してくださいました。
 
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「人権の手前」
「親切と大切は同じ?違う?」
「“大切な”(形容詞)と“大切にする”(動詞)の違い」
「“物を大切にする”と“人を大切にする”の違いは?
「“人を大切にする”と“自分を大切にする”との関係は?」
などなど。
 
 
個人的には以下の2点が興味深い発見でした。
  1. 「大切にする」は一時的な行為ではなく、ある程度持続性のある視野をもったうえでの行為(そっと見守ることや苦言を呈することが「親切にする」ではなく「大切にする」なのはこのため)
  2. 「大切な」は対象を自分の内のものとして捉えるのに対し、「大切にする」は対象を自分の外にあるもの(他者)として捉える

 

 

次回3月は、当日参加者からテーマを募ります。

詳細は、公民館だよりやチラシをご覧ください。

スロウな本屋さんで/と

今日は、大元公民館のモヤニコカフェのあと、カフェで原稿を書きあげて、スロウな本屋さんへ。

 

店長の小倉さんが、とってもうれしそうに教えてくれた本。

みんなたいぽ|オンラインショップ|スロウな本屋

 

パンをぬすんだ。ひとをぶんなぐった。ひどいことばで傷つけた。「ろうやで はんせいしなさい」 そう言い放つおまわりさんに、みんなが語ったのは? みんなをたいほした先に、待っていたのは…?(作品紹介より)

 

なんじゃこりゃ!最高!!!

荒井良二さんの作品は前から大好きだけど、文のマヒトゥ・ザ・ピーポーさんのことは初めて知りました。いきなり気になる人ランキング上位にランクインだ。

これは、いつか絶対、えほん哲学カフェをしたい。

ナンセンスなようでいて、なんか考えさせられちゃう。そんな一冊。

 

 

そして、もう一冊。

ナンティー・ソロ 子どもたちを鳥にかえたひと|オンラインショップ|スロウな本屋

 

町に女がやってきました。名前はナンティー・ソロ。自分は子どもたちを鳥にかえられると言いました。大人たちは、子どもたちを守ろうと大騒ぎ。ところが……!? (作品紹介より)

 

こちらは、小倉さんに教えてもらわなかったら、手に取らなかったと思う。

「子どもたちを鳥にかえたひと」なんて、子ども向けのファンタジーかなと思って通り過ぎてしまう。他にも気になる絵本は山ほどあるんだから。

けど、読み始めてみたら、むしろ大人と語り合いたくなるような一冊でした。

いや、もちろん子どもたちと読んだっていいんだけど、あれこれ経験してきた大人たちに、これを読んで思い出したことや、「あなたが、ナンティー・ソロだと思う人」をきいてみたい。

ちなみに私のなかのナンティー・ソロは、私を、失敗を恐れる気持ちから解放してくれたヴィクトリア・チュルネンコさんというロシア人哲学者です。

 

 

4月1日までスロウな本屋さんとのイベントがあれこれ決まっているので、上記の絵本での企画はもう少し先かな。

 

slowbooks.jp

 

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棚に並んでいる本の数はそれほど多くないはずなのに、ひとりで大型書店に行っても出会えなさそうな本との出会いが、たくさんある。そんな本屋さんなのです。

 

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