がんカフェ@ウェル・リビングを考える会
先週末は、ウェル・リビングを考える会主催のがんカフェにゲストとして参加してきました。
こちらのがんカフェは、毎回ゲストからの話題提供+対話という構成だそうです。
今回は、「家族のためのがんカフェ」や「遺族のためのがんカフェ」を開催している第2の患者会すろーすの活動についてご紹介させていただきました。
がん患者の家族の方や、がん患者さんを支援している方、医療者の方なども参加されていて、みなさんとのやりとりのなかでいろんな気づきがありました。
一番大きな気づきは、すろーすの「家族のためのがんカフェ」では、あまり出てこない話というのもあるのだなぁということ。
参加者の方に「こういう話についてはどうですか?」と尋ねられて、「あ、そういう話はすろーすであまり出てこないなぁ」と。
たとえば、治療や週末の過ごし方についての選択肢の話。
患者家族たちの対話でも全く出てこないというわけでもなさそうですが、どうも話の方向性がちがう。
患者家族は、そうした選択肢に直接関わるというより、間接的に関わることが多い。
だから、「何を選択するか」というより、
- 患者と家族や家族同士で意見が分かれてるんだけど、どうしよう?
- 本当はこう思ってるんだけど、伝えるべきだろうか?
- 伝えるとして、どう伝えたらいいんだろう?
- 自分の中のモヤモヤした気持ちをどう整理しよう?
といった方向に進むことが多いです。
今回、いろんな方の話をうかがって、こういった内容・やりとりがメインになるのは、がん患者本人なしの家族だけの対話だけだからこそで、がん患者さんがいると、直接選択肢について話したり相談したりといったことがメインで、すろーすで話しているようなことは出てこなかったりサイドディッシュ的な扱いになりそうと感じました。
何が話されているかだけでなく、何が話されていないかからも、他の活動とは異なるすろーすの活動の特徴が浮かび上がる。
そのことに気づかされたので、今後はそこも注目して、自分たちの活動についての理解を深めていきたいです。
ウェル・リビングを考える会のがんカフェ、次回は10月30日で、田村恵子さんが「ともいき京都」のお話をしてくださるそうです。
私もzoom係として参加予定。楽しみです。
人権の手前にある対話のススメ@烏城高校
一昨日は、烏城高校の教員研修にお招きいただきました。
スロウな本屋さんで烏城高校のとある先生とご縁ができたことがきっかけで、今回のご依頼につながりました。
障害学習センターと同じ敷地になる定時制高校で、昼間部と夜間部があるんですが、そのあいだに昼夜間共通の授業があったりして、これは
「子どももいろんな子がいるんだから、学校もいろんな学校があったほうがいい」
を実現しちゃってる学校なのでは?と以前から気になっていたので、お話をいただいたときからうかがうのを楽しみにしていました。
研修前半は、自己紹介も兼ねて、これまでの活動から烏城高校の参考になりそうな活動*1をご紹介しながら、哲学対話の特徴や可能性、対話実践のポイントや心がけていることなどをお話させていただきました。
人権教育研修ということで、人権に関わりそうなポイントもちょこっと添えて。
後半は、実際に体験してみましょうということで思考の交差点を探すワークを実践。
短時間で自分と異なる考え方をきく楽しさを味わってもらいたいと、このワークを選びました。
短い時間だったにも関わらず、お互いの考えが交わったり分岐したりする共通点や相違点がたくさん発見されました。
あちこちで様々な人とこのワークをしてきましたが、こんなに短時間でたくさんの共通点や相違点が掘り起こされたのは初めで、こちらがびっくり。
終了後の雑談で、
「相違点を探そうとすると、いつもより細かく話をきけますね」
「やっぱり!というところもありつつ、思わぬところで予想とちがう考えが出てきて、驚きました」
といった感想をいただきました。
ワークの様子や質疑応答でのやりとり*2から、普段から先生方のコミュニケーションが活発なことがうかがえ、ここに哲学の〈ともに考える〉という要素が加わるとどんな可能性が広がるのか、ワクワクしました。
池田高校のように生徒さんと対話するのも大好きだけど、こうして先生方を対象にやるのもいいなぁ。
対話のなかでどんなことが起こっているのかは、実際に体験してみないとわからないことが多いし、同じ職場の先生みんなで体験することによって、職場でコミュニケーションに関する課題が出てきたときに問題を共有しやすくなるのでは、と思いました。
ひとりひとりの生徒さんをしっかりみようとする学校のようなので、普段の生徒さんとの会話や先生同士のコミュニケーションでも、対話づくりのポイントを活かせる機会がたくさんありそうです。
わたし自身も先生方ともっとお話してみたくなっちゃったし、烏城高校にもますます興味が湧いたので、今後もこのご縁が続くといいな。