てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

「理想と現実」@Ziba Platform

3月30日(土)は、岡山市から電車で揺られて1時間半(快速なら約1時間)の津山市、Ziba Platformで哲学カフェ。

テーマは、「理想と現実」。

11名の方が参加してくださいました。

 

「『現実を見ろ!』と言われてしまう」

「志望校について、家族に『現実的ではない』と反対されたけど、支えてくれた」

「周囲からは理想的な暮らしをしていると思われているけれど、本人は別の生き方をしたいと思っている人がいて‥‥‥」

 

などなどの体験談に、

 

「現実って何だろう?」

「現実をみることが大事なのはなぜ?」

「なぜ、理想はあったほうがいい?」

 

をめぐるそれぞれの考え方。

 

「現実」と「理想」の区別についても、いろんな考え方が出てきて、途中頭が混乱しそうになりましたが、

「理想と現実は相反するという捉え方と、現実の延長線上に理想があるという捉え方、2つの捉え方がある」

という指摘のおかげで、だいぶすっきり。

確認しそびれちゃったけれど、

「実現不可能な理想と、実現可能な理想がある」

という指摘も、この2つに対応するものでしょうか。

 

他にも、こんな話が印象に残っています。

  • 理想は人工的、現実はなりゆき
  • ひとり暮らしのときに描いていた理想と、家族と暮らすようになってから描く理想はちがう
  • 理想は時間や時代とともに変化する
  • 高度成長期には社会の理想と個人の理想が概ね一致していたが、いまはちがう


特にわたしが、みなさんのお話をきいて「あ!」と気づかされたのは、他の人からは非現実的な夢のように思われても、自分にとっては手が届きそうな事柄や、逆に、他の人からは実現可能な事柄に思われても、自分にとっては全然手が届かない理想にしか思えない事柄があるなぁ、ということ。

〈てつがくやさん〉も、周りからは「それができれば理想的だけど、現実的に、それで食っていくのは難しいでしょ」という反応をされやすいし。

しかし、週5で働く体力のないわたしにとっては、これが一番現実的な理想だったり。

 

何が現実的で、何が非現実的か、人によって異なるということ。

今後も忘れずにいようと思います。

 

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2019.3.30「理想と現実」@Ziba Platform

 

***おまけ***

 

哲学カフェの前に、津山城へぶらり。

ちょうど、さくらまつりが始まったところでした。

ソメイヨシノはまだまだでしたが、けっこう咲いてる品種もありましたよ。

いつか、ここでも哲学ウォークしてみたい!

(階段がけっこう急なので、哲学ウォークというより、哲学登りになりそうだけど)

 

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2019.3.30 さくらまつり@津山城


 

『失敗学のすすめ』を読んで考える@池田高校×川之江高校

先日、3月27日(水)は、徳島県立池田高校と愛媛県川之江高校の合同学習会へ。

助っ人進行役2名とともに、2年生を対象に、哲学対話をしてきました。

 

テーマ代わりに文章を読んで、自分たちで問いをつくって考えてみる。

これまで3年生と何度かやってきましたが、2年生は初めて。

 

文章は、こちらの本から一部抜粋したもの。

失敗学のすすめ (講談社文庫)

失敗学のすすめ (講談社文庫)

 

 

わたしが進行させてもらったグループは、問いづくりに苦戦していましたが、面白い切り口もいくつか出ました。

あとで聞いたら、他のグループでは出なかった切り口もちらほら。

 

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『失敗学のすすめ』を読んで@池田高校×川之江高校(みにまむグループ)

 

文章は、わたしが選ばせてもらったのですが、選んだときには気づかなかったおもしろポイントがいろいろ見つかって、うれしい。

みなさんの話を聞いて、改めて本を読んだら、また何か発見がありそうです。

 

それから、助っ人進行役(大阪大学大学院の後輩)からも、対話の進め方について、いろいろと学ぶところがありました。

どのやり方も一長一短で、全てを同時に試すことはできないけれど、自分のやり方よりよいと思ったものはどんどん取り入れていきたいな♪

 

 

おまけ:失敗といえば、こちらの図鑑も気になっています。

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!

失敗図鑑 すごい人ほどダメだった!

 

 

てつがく絵カードを使って話してみる@フリーデザイン岡山

昨日3月19日(火)は、フリーデザイン岡山へ。

2ヶ月に1度の、利用者向けプログラム、コミュニケーション・カフェでした。

 

今回は、購入したものの使う機会のなかったこちらを使ってみました。

 

てつがく絵カード (哲学カード)

てつがく絵カード (哲学カード)

 

 

teamgame.stores.jp

 

いろんな使い方ができるようですが、今回は、「一番大切なのはどれ?」を「上から順に」みんなで並べてみるワークをしてみました。

 

「え!車ってもっと上だと思ってた!」

「プレゼントの中身がわからないのに、どうして大事だと思ったの?」

 

などなど、道具を使うと、お互いの考えのちがいがわかりやすい!

「哲学カフェは、難しい。話についていけない」という人も、これなら、カードを動かしながら視覚的に相手の考えと自分の考えの違いを確かめられるので、話しやすいんじゃないかな。

 

みんなで一緒にカードを動かしながらあーだこーだ話したあと、

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全員が納得いく並びにはならなさそうなので、各自、自分がひいたカードを置いてみた

 

最後は、ひとりずつ並べてみました。

たとえば‥‥‥

 

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Sちゃんは一番大事が3つでL字型

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Kさんは同率のものがいくつか(右にいくほど大事なもの)

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Nさんはキレイに一列!すごく一貫性のある並びでした


他の人の意見を聞いて、自分の考える準備が変わったものもあれば、最後まで変わらなかったものもあり。

 

楽しかった!またやりたい!

というわけで、2ヶ月後のコミュニケーション・カフェも、同じカードをつかって、別のネタで遊ぼうとおもいます。

 

ちなみに、ウォーミングアップにはこちらをつかいました。

teamgame.stores.jp

 

「これについて、聞きたい、考えたい!」という主体性から生まれる対話も好きだけど、ときにはこういうのもいいですね。

「カードを引く」という偶然性が、みんなの緊張を解きほぐし、コミュニケーションを軽やかにしてくれる気がします。