てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

柏の葉T-SITEで出版イベント『この世界のしくみ 子どもの哲学2』

3月31日(土)は、千葉県へ。

柏の葉T-SITEにて、4月11日に発売される『この世界の仕組み 子どもの哲学2』の出版イベントでした。

 

store.tsite.jp

 

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黄色いのが私が執筆メンバーに加わる前に出た第一弾。青いのが今回出た第二弾です。

 

子ども20名、大人15名が参加してくださって、

執筆メンバーの進行で、本のなかの問いについて、「てつがくカフェ」!

 

 

  • 心ってなんだろう?
  • 仲間って必要なの?
  • なぜ成績をつけるの?

の3択で、

高学年グループは「仲間って必要?」、

低学年グループと保護者グループは「なぜ成績をつけるの?」

という問いが選べれ、対話を楽しみました。

 

私は、コーノくんと一緒に低学年グループに入りました。

最初はこの問いに気乗りでなかった子も、みんなの話をきくうちに、たくさん話したいことが出てきた様子。

成績をつけることの意味、成績のなにがイヤか、なぜ他の人の成績をからかう人がいるのか、成績を見せてもいい人と見せたくない人のちがい、成績ではがんばったかどうかわからない問題について考えました。

あとで、ゴードさんにきいたところ、保護者グループは全然ちがう話が展開されたようです。

家に帰ってから「どんな話した?」ってお互い聞いて、びっくりしてるといいなぁ。

 

岡山のイベントは、まだ残席あります。

もし小学生のお子さんがいたら、ぜひ!

slowbooks.jp

 

 

絶賛予約受付中。

この世界のしくみ 子どもの哲学2

この世界のしくみ 子どもの哲学2

 

 

 よかったら、第一弾もどうぞ。

お子さんの「なぜなぜ」攻撃にまいっている大人にも人気だそうです。

子どもの哲学 考えることをはじめた君へ

子どもの哲学 考えることをはじめた君へ

 

 

 

「ありがとう、おつかれさま」@城下ステーション 第2部 哲学カフェ

さて、3月24日、城下ステーションでの最後の哲学カフェ。

第2部の哲学カフェのふりかえりです。

 

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テーマの「ありがとう、おつかれさま」は、久しぶりに岩渕さんのご提案。

(ここしばらく、参加者から提案のテーマが続いていたので)

「ありがとう」と「おつかれさま」、両方だと話が分散しちゃうかな?

どちらかに絞ったほうがいい?

‥‥‥と、ちょっと迷いましたが、やっぱり、なんとなく、そのまんま採用することにしました。

 

最初にみなさんの関心が集まったのは「おつかれさま」のほうでした。

「おつかれさま」はどんなとき使う?

その日最初に会った時?「おはよう」には遅い時間に?帰るとき?家庭でも使うことはある?

「ごくろうさま」や「おつかれさまでした」、フランス語の挨拶「salut」などと比較もはさみながら考察。

 

「おつかれさまって、誰でもどんな時間でも使えて便利!」という声もあれば、

「『お疲れ』はいやだから『ご活躍様』を使う」という人も。

「職場でしか使ったことがない」という人もいれば、

「家庭や保育園でも使うことがある」という人も。

対話の途中、城下ステーションにお届け物があって、「この場合、配達員の人になんて言う?」とその場で確認し合う場面も!

(こういう偶然的の出来事で対話が和むのも、城下ステーションのよいところでした。)

 

しばらく職場や家庭の話題が続いた後、終盤、再び城下ステーションの哲学カフェの話題に。

「哲学カフェのあとは『ありがとう』?『おつかれさま』?どっち?」

「私はいつも『ありがとう』って気持ちで帰ってる」

「『ありがとう』だけなのと、『おつかれさま』もあるのと、どうちがう?」

‥‥と、「ありがとう」と「おつかれさま」の違いや関係について考える展開に。

 

最終的に、こんな「おつかれさま」の特徴が浮かび上がってきました。

  • 「おつかれさま」は、出会ったときも帰るときも、上下関係なく使える便利な挨拶。
  • 「おつかれさま」は完全な終わりではなく、継続のなかの一区切り(「おつかれさまでした」だと完全に終わりという感じ)
  • 「おつかれさま」は、一緒に何かをする人にかける言葉。(「ありがとう」は一方向的に何かをしてもらったときに使う)

 

いつもより短い1時間半の対話でしたが、短くテンポのよい発言が多かったおかげで、いろんな視点から、みんなで一緒に考えてるの強い対話が味わえました。

 

改めて、これまで城下ステーションの哲学カフェにご参加くださったみなさん、

ゲストとして話題提供や進行役をしてくださったみなさん、

遠くから応援してくださったみなさん、

いつも快く城下ステーションを使わせてくださった岡山大学地域総合研究センター、NPOまちづくり推進機構おかやまのみなさん、

そして、2012年から5年半、一緒に企画してくださった岡山大学の岩渕さん、

岩渕さんを紹介してくださった花野さん、

ありがとう、おつかれさま。

城下ステーションでは最後でしたが、哲学カフェの種まきは十分できました。

またどこかでお会いしましょう。

 

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岡山大学まちなかキャンパス・城下ステーション(岡山大学地域総合研究センターとNPOまちづくり推進機構おかやまがシェアしてまちづくりに取り組んでいました)

 

agora.okayama-u.ac.jp

「ありがとう、おつかれさま」@城下ステーション 第1部 企画者によるふりかえりトーク

3月24日(土)は、岡山大学まちなかキャンパス・城下ステーションにて最後の哲学カフェでした。

最後だからと、大阪からきてくださった方や、久しぶりに来てくださった方も!

それから、お馴染みさんに、初めてきてくださった方。

ありがとうございました。

 

城下ステーションは、私が岡山に来て哲学カフェをした場所。

そして、いまとなっては、ほぼ唯一、私が無償ボランティアで哲学カフェをしている場所でもありました(例外は、岡山映画祭のシネマ哲学カフェ。私も市民として恩恵を受けている映画祭で、映画祭のスタッフもボランティですし、2〜3年に1度なので、無償で引き受けたことが数回あります)

この機会を逃したら、どんな経緯や思いでこの場所で哲学カフェを始め、ここが私にとってどう特別なのか、他の人にとってどうだったのか、共有する機会がないまま消えてしまう!

そう思って、今回は哲学カフェの前に、第一部として企画者によるトークタイムを設けてみました。

 

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結婚のために岡山に越してきたものの、夫以外にほとんど話す人がいなくて孤独だったこと。

大阪や神戸で哲学カフェをする機会はあったけど、「○○の妻」ではなく、私が私として暮らすために、この地域で哲学カフェをしたいと思ったこと。

知り合いがいない状態で始めても参加者が集まりそうにないので、1年半近く、哲学カフェを一緒にやってくれそうな人を探していたこと。何度も怪訝な顔をされたこと。

シネマ・クレールで出会った花野さんが、岩渕さんを紹介してくれこと。

岩渕さんと出会って、すぐ意気投合したこと。

「お金の使い方」がテーマの回に、参加者と相談して、活動費をカンパ制にしたこと。

「ショッピング」など、一見まちづくりに関係ないテーマでも、実はまちづくりを意識したテーマであったこと。

ときにはゲストを招いて、外の視点も交えて岡山の「当たり前」について考えたこと。

参加者の要望を反映したテーマや企画のこと。

哲学カフェを続けるうちに、オフの日も街中で参加者に声をかけられたりするようになってきたこと。

そういう公私を分離できない暮らしが気に入っていること。

 

岩渕さんも、いろんなことを話してくださいました。

 

岡山に来るきっかけとなった、荒井さんとの出会い。

実は、もともと哲学専門の先生に学んでいたこと。

なぜこの場所に岡山大学のサテライトキャンパスができたのか。

文化を育むということ。

城下ステーションを若者が対話できるような場にしたいという思いがあったこと。

花野さんに松川を紹介されたときの、あれこれ詳しく打ち合わせしなくても一緒にやれるという感覚。

哲学カフェを通して知った「聞く(聴く)」ということの大事さ。

哲学カフェといっても、進行役や参加者によってずいぶん雰囲気が変わること。

 

私も半分以上初めてきくお話。

みなさんと一緒に、「へー」と驚いたり笑ったりしながら聞きました。

 

ちらほらと参加者との思い出や、参加者の要望によって実現した回などもふりかえりつつ‥‥‥

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みんなで、これまでの活動一覧を眺めながらふりかえりました。

 

細かい打ち合わせは一切なしの、ゆるゆる〜とした雑談のようなトークタイムのあとは、いよいよ城下ステーションで最後の哲学カフェ!

‥‥‥ですが、長くなるので、哲学カフェのふりかえりは次の記事で。

 

 

追伸

岩渕さんとは城下ステーションでの活動をもとに「哲学カフェをやってみよう!」総務省『主権者教育のための成人用参加型学習教材』(平成27年度版)所収)を書いたりもしました。

教材なので、今回の第一部で話した内容とはだいぶちがいますが、ご関心のある方がいたら読んでみてください。