てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

facebookで哲学ウォーク

昨日、facebook上で開催した哲学ウォーク、無事終了しました。

 

www.facebook.com

 

イベントページを掲示板のように活用した、投稿スタイルのイベント。

イベントページの「情報」タブからプログラム内容を読んでから、「ディスカッション」タブを開いてください。

過去の投稿から遡ってみていただくと、みなさんの思索の足跡を‥‥‥というか、イベントの様子をほぼそのままご覧いただけます。

 

最終的に、26名の方が参加してくださいました。

このワークを思いついたときから、このアレンジ版は、オリジナル版では難しいぐらい大人数のほうが面白いだろうなと思っていました。

前夜、哲学者の言葉を送る作業では「大判振る舞いしすぎたか?」と一瞬後悔しかけましたが、今年はカフェフィロ15周年だし!自粛お見舞い企画だし!とがんばりました。

結果、各地のいろんな景色が集まって、楽しかったです。

今後もこの人数で実施するかどうかはわかりませんが(体力次第)、今回この人数でやってみて、改めてわかったこともちらほら。

ありがとうございました。

 

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前日がんばってつくったクジ

 

以下、ちょこっと反省点。

 

反省1)写真は自分で

写真はネットから拾ってくるのではなく、自分で撮ってね」とはっきり明言しておくべきでした。

幸い、今回の参加者は丁寧に事前に「ネットの写真でもいいですか?」ってきいてくれたけど、ちゃんと説明しておかないと、ネットでもいいだろうとご自身で判断する人もいそう。

というか、最初にこのワークを思いついたときは、むしろネットで写真を拾ってくるほうメインで思いついたんです。

他の地域で散歩できる状況かどうかわからなかったので。

しかし、「自粛生活で孤立しがちな日々に窓を開けるような哲学を」と思って、他の人の暮らしを垣間見る機会を提供する「自分で近所や自宅を歩いて写真を撮る」方向に。

あと、わたし自身、散歩する言い訳が欲しかったので。

実際、そのほうが頭や体の筋トレにもなるし、みなさんの様子が垣間見れてほっとしたし、自分で撮ってもらうことにしてよかったと思います。

 

反省2)合間の時間

7:00-13:00 投稿タイム

13:00-15:00 質問タイム

15:00-22:00 回答タイム

‥‥‥というように時間を区切りましたが、人数が多い場合は、各ステップのあいだにバッファとなる時間を設けたほうがよさそう。

各ステップの終了間際に投稿やコメントされる方が複数いたり、投稿ボタンを押してから反映されるまでに若干のタイムラグが生じることもあります。

ちゃんとそれらが完了してるか見届けてから次のステップに移ったほうが、参加者も安心だし、進行役もやりやすいだろうと思いました。

なので、次にやるときは、ちょっと時間設定をいじろうと思います。

でも、投稿タイムは、朝の散歩や通勤時間とランチタイムも入るようにしたいから、変えずにこのままいこう。

 

ほかにも、参加者の方の感想をいただいたり、オンラインの哲学ウォークとのちがいや共通点についての発見があったり‥‥‥。

長くなるので、それらについては、また改めて。

哲学カフェのlocalities〜オンライン哲学カフェのまえに〜

オンライン哲学相談、今週のご予約は埋まりました。

今日はこれから、オンライン哲学カフェの打ち合わせ。

 

それにしても、オンライン哲学カフェをしようとして改めて、これまでやってきた哲学カフェについて見えてくることがありますね。

哲学カフェのlocalitiesというのもそのひとつ。

哲学カフェをプログラムのようなものとして捉えると、場所なんてアクセスがよけりゃどこでもいいかもしれない。

けど、私の場合は、ごく一部の自主企画を除いて、あのカフェであのマスターと、あの本屋であの店長さんと、あの福祉施設でそこに通う人たちと‥‥‥場所とそこで生きる人がセットになってて、その人とその場所に必要とされる哲学をと模索してきた。

哲学カフェは、わたしなりの臨床哲学を実現するための媒体なのだ。

 

それはつまり、個別性とかlocalitiesを大事にしてきたってことでもある。

 

〈臨床〉はひとが特定のだれかとして他のだれかに遇う場面である。〈臨床〉には、そのかぎりで、遇われる他者の偶然性ということが含まれる。〈臨床〉においては、じぶんが他者を選ぶのではなく、他者とそこで遇うのだということ、この偶然性のなかで生成する社会性というものを、《臨床哲学」は視野の中心に置く。(鷲田清一『「聴く」ことの力:臨床哲学試論』)


だから同じようなことをやってるように見えるかもしれないけれど、曜日、時間、テーマ、定員、ドリンクの提供方法、料金、席の配置、コミュニティボールを使うかどうか、そもそも哲学カフェをするのかどうか、等々、その都度、そこで生きる人たちと相談して場に合わせてアレンジしてきた。

 

こうした法主義批判をもっと単純なことばでいいかえると、なにかを「哲学的」に考えようとするとき、まず方法をきちんと決めてから、というやりかたに制限をくわえなければならないということである。方法は、ある意味では対象のほうがいわば強いてくるものだ。あるいは、対象との接触のなかではじめて見えてくるものである。対象にかかわる前に方法があるわけではない。(鷲田清一『「聴く」ことの力:臨床哲学試論』)

 

場がオンラインに移ったとき、この個別性やlocalitiesはどうなる?

もともとWebで告知せずクチコミでやってきた活動については、人的ネットワークがlocalitiesを保持してくれるだろう。

けど、Webで開催情報を流してきたものは、情報の出し方を気をつけないと。

地元の人のためだったはずの哲学カフェに、遠方から来た人がちょこっと混じってるのは新鮮でいいけれど、ほとんど地元の人がいないというのは困る。

 

たぶん、私の本当の課題は、「オンラインで哲学カフェができるか」ではなく、「オンラインで現場へ行って(?)現場の人と哲学できるか」にあるのだろう。

 

というわけで、オンライン哲学カフェの開催情報については、出したり出さなかったり、主な対象者とそれ以外の人とで告知のタイミングをずらしたりすることもあると思います。あしからず、ご了承くださいませ。

 

 

わたしが持ってるのはTBSブリタニカ版ですが‥‥‥

「聴く」ことの力: 臨床哲学試論 (ちくま学芸文庫)
 

 

オンライン哲学相談〜philosophy for 1〜

以前から、ご要望いただいていたオンライン哲学相談。

知り合い相手に何度か試行を繰り返し、なんとかご予約を受け付けられるようにしてみました。

 

本当はサイトに哲学相談専用の予約ページをつくって、そこから予約できるようにしたかったんだけど、サイトをつくってるwixの予約アプリが私には使いにくいものだったり、なぜかオンライン決済がうまく接続できなかったりと、どうにもうまくいかず。

 

ひとまず、一番シンプルでわかりやすかったイベントサイトPeatixで申し込みページをつくって、個人サイトのイベントページに貼り付けてみました。

ただいま、来週4月29日(水)と5月1日(金)の午前中のご予約を受付中。

 

www.eri-philo.com

 

 

正直、これがベストなやり方だという自信は全然ありません。

が、商品(オンライン哲学相談)はあるのに、販売窓口(予約サイト)がないから売れないという状態が続くのは、どうにももったいない。

とにかくバラック小屋でもなんでもいいからお店を開けよう!という気持ちで、やってみます。