てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

シャベリカをつかって、対話を深める@徳島県立池田高校

徳島県立池田高校で、哲学対話をはじめて8年目の春。「阿波踊りがしたいから、将来絶対地元に帰ってくる」と言ってたあの生徒さんと、再会した。地域おこし協力隊として、帰ってきたとのこと。有言実行。阿波踊りの偉大さを知る。あのとき高校生だった人と、ビールを酌み交わす喜び。(facebookより)

 

というわけで、昨日、一昨日はお馴染み徳島県立池田高校へ。

1日目は、探究科の1年生を対象に質問レッスンを。

過去最高に元気なクラスで、びっくり!

 

2日目は、探究科の2年生と大阪公立大学の松本ゼミの学生さんとの哲学対話。

せっかくだから大学生と交流したいよね、ということで、ずっと温存していたこちらのカードを使ってみました。

 

teamgame.stores.jp

 

あらかじめ、ちょっと深いおしゃべりができそうなカードを選んでおき‥‥‥

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グループごとに1枚ずつひいてもらって、20分ほどおしゃべりしたら、そこから問いをつくってさらに対話します。

たとえば、こんな問いが出てきました。

  • 「どうしてもこだわってしまうこと」→「こだわりとルールのちがいは?」
  • 「本当にそのとおり!と思う“ことわざ”」→「“笑う角には福来たる”か?」
  • 「“私、大人になったな”と思う瞬間」→「そもそも大人になる必要はあるか?」

 

そこから対話の結果、さらなる問いが生まれるグループあり、相違点から生まれた問いについて話すなかで2つの説とメタ思考が生まれるグループあり‥‥‥。

初対面の大学生と話しやすいようにと考えてカードを使いましたが、これ、対話を深める練習としてもいいかも。

 

『フィルカル』で、哲学の居場所を探るインタビュー

4月30日発売の雑誌『フィルカル』にインタビューが掲載されます。

「哲学の居場所を探る」というシリーズの第3回の人に選ばれました。

「私のためにあるようなシリーズやなぁ」と思ってたので、とてもうれしい。

 

内容は、はじめて哲学をしたときの話から、学生時代のこと、哲学プラクティス(哲学カフェなど)との出会い、カフェフィロのこと、哲学のプレイヤーとして、哲学カフェで垣間見える専門性って?などなど。

インタビューを受けることは時々あるけれど、こんなにがっつりしたものは初めてじゃないかなぁ。

しっかり紙面を割いてくださるうえに、聞き手もいろんな仕方でしっかり哲学をしてる人たちだから、ふだんは表ではなかなか話さないようなつっこんだことも話しちゃってます。

しかも、これ、14ページもあるのに「前編」なんですよね。

次号「後編」では、「てつがくやさん」の話を中心にしてるので、そちらもお楽しみに。(校正がんばります。)

 

ご予約はこちらからどうぞ。

「哲学とセーファースペース」シリーズも、哲学プラクティスや対話実践をする人は必読です!

 

目次や試し読みをご覧になりたい方は、こちら。

philcul.net

 

 

 

哲学ウォーク@王子公園

4月10日(木)は、学生時代からお世話になっているグリーングラスのみなさんと、王子公園で哲学ウォークを楽しんできました。

 

午前中、みなさんより一足先に行って、下見。歩くルートを考えます。

広いので、実際に歩いたのは、このごくごく一部です。

2年前の前回は車椅子参加の方がいたので、舗装されたとこに限定したけど、今回は「歩けます!」ときいたので、階段やちょっと裏道っぽいところもルートに加えました。

 

午後13時半、集まったみなさんに哲学者の言葉が書かれたクジをひいてもらって、いざ出発!

クジに書かれた言葉に関連しそうなスポットを探しながら、ぞろぞろと歩きます。

 

個人的ハイライトは、8人中2人が立ち止まった、ここかなぁ。

 

ひとりめは「恐れることが一番の恐れである」(ヘーゲル)という言葉をひいた人。

「この階段をあがったら、どうなっているのだろう?」というドキドキとともに「未知の世界」というコンセプトをあげてくれました。

もうひとりは、「自尊心のないところに、どうして真の幸福がありえよう」(ラッセル)という言葉を引いた人。

「この階段をあがった場所で、昔子どもたちと遊んだ幸せな記憶が蘇ってきた」ということで、「過去」というコンセプトをあげてくれました。

同じ場所なのに、この先がどうなってるか知ってる人と知らない人とで、ここまで真逆のコンセプトが出てくるなんて!

 

他にも、桜の開花予測にふりまわされちゃったことを思い出してみたり‥‥‥

「何事も絶対確実だと思い込んではいけない。」(ラッセル)
コンセプト:桜

 

水の流れに時の流れを重ねてみたり‥‥‥

「「そのうち」なんて当てにならない。今がそのときさ。」(スナフキン
コンセプト:有限または諦念

 

うららかな心地よさと、人生や人生観を垣間見るウォークでした。

 

 

ちなみに2年前の哲学ウォークは、こんな感じ。

matsukawaeri.hatenablog.com