てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

上野千鶴子『女の子はどう生きるか』〜女の子の翼を折らないために〜

明日、こちらの読書会に参加するために。(プライベートです)

slowbooks.jp

 

確定申告をさぼって、読書。

久しぶりの、上野千鶴子さん。

相変わらず、痛快で、優しい。

 

覚えておいてください、愛されるって、大事にされるってこと。

大事にされるって、あなたの意思を尊重されるってこと。

大事にされるってキモチよいものです。

女の子はどう生きるか: 教えて,上野先生! (岩波ジュニア新書 929)p.96)

 

上野先生の本を読むと、いつも、思い出しちゃうんだよなぁ。

数学の過去問を必死に問いてるわたしに「笑ってたほうがかわいいのにー」と無邪気に言ってきた元カレのことを。

別れてよかった、本当に。

 

そして、この人はいつも、私たちに現実を教えてくれる。

 

なぜ、東大の女子学生が二割しかいないのか?

なぜ、専業主婦も年金がもらえるのか?

なぜ、JKを売りに稼ぐことをオススメできないのか?

なぜ、「非正規雇用」なんてものがあるのか?

なぜ、女性の政治家は少ないのか?

 

データと歴史からわかりやすく、現実のおかしさと希望の両方を。

狡さ、矛盾、不平等が存在する一方で、狡さに騙されない賢さで、矛盾にたいして「おかしい」と声をあげ、不平等を平等に近づけてきた人たちがいることを。

その事実が、私たちに、社会は変えることができるんだという希望を与えてくれる。

 

でも弱者だからって差別されていいわけがない。

だからフェミニズムは弱者が強者になりたい思想じゃない、

弱者が弱者のまま尊重されることを求める思想だ

上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!p.178)

 

「オッサン」の狡さに騙されないために、そしてなにより自分自身が「オッサン」にならないために、現実に向き合う賢さを身につけよう。

 

ここでいうオッサンとは、中高年のオヤジのことではありません。自己チューでオレサマ度が高く、オンナコドモや立場の弱いひとを差別する、想像力がなくて鈍感力の高いひとを言います。年齢も性別も問いません。女のひとのなかにも、たまにいます。

女の子はどう生きるか: 教えて,上野先生! (岩波ジュニア新書 929)p.45)

 

 

この本は、女の子だけのための本じゃない。

まえがきの副題に「女の子の翼を折らないために」とあるように、

女の子とともに未来をつくる全ての人のための一冊。

(できれば、政治家には最低一読はしてほしい!)

 ※スロウな本屋さんからご購入の方はこちらへどうぞ。

 

 

女の子の翼を折らないために、以前スロウな本屋さんの読書会で読んだ、こちらもおすすめ。

イジェアウェレへ フェミニスト宣言、15の提案|オンラインショップ|スロウな本屋

 

こちらも気になってます。

上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!|オンラインショップ|スロウな本屋

 

 

以下は、学生のころ何度も読んだ上野千鶴子さんの本たち。

 

ミッドナイトコール (朝日文芸文庫)

ミッドナイトコール (朝日文芸文庫)

 

 

サヨナラ、学校化社会 (ちくま文庫)

サヨナラ、学校化社会 (ちくま文庫)

 

 

ザ・フェミニズム (ちくま文庫)

ザ・フェミニズム (ちくま文庫)

 

 

脱アイデンティティ

脱アイデンティティ

  • 発売日: 2005/12/01
  • メディア: 単行本
 

 

いま確認したら、誰かに貸しっぱなしで行方不明のものが‥‥‥買い直そう!