まつかわえりのてつがく日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする哲学者、松川絵里のブログです。

ゆとり世代のためのコミュニケーション講座@中央公民館

昨日は、岡山市中央公民館にて「ゆとり世代のためのコミュニケーション講座」の講師を務めさせていただきました。

 

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2017.11.26 ゆとり世代のためのコミュニケーション講座@岡山市立中央公民館

「青少年対象のコミュニケーション講座に協力してほしい」とお話をいただいたのが、2014年。

昨年度までは、輪になってテーマについて話すというシンプルなものでしたが、今年度からは、「コミュニケーションのコツを教えてほしい」という参加者のご要望を受け、毎回プチレクチャーとワークをとおしてコミュニケーションのポイントを一つず学んでゆくことに。

こんなプログラムを組んでみました。

 

  • 7月 こわくないコミュニケーション(安心なコミュニケーションにおけるって?)
  • 8月 “あたりまえ”が通じない⁉︎〜「かみ合わない」を解消する〜
  • 9月 いま何の話?〜会話の迷子からの脱出〜
  • 10月 なに話す?〜みんなの話題の見つけ方〜
  • 11月 センパイとコミュニケーション


そして、最終回の11月は、10月の講座で考えたテーマから一つ選び、他の世代の方も交えての対話。

いろんな方の意見を考慮した結果、「コミュニケーションってなに?」をテーマに、この講座の出発点に返って捉え直すような時間となりました。

 

対話のスタイルは、哲学カフェスタイルではなく、ハワイ流P4C(子どもの哲学)スタイル。

7月にみんなでつくったコミュニティボール(毛糸のボール)を使います。

まずは、順番に質問に答えながら、自己紹介&ウォーミングアップ。

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イラストは、それぞれ本人が描いています。

その後、みんなの「うれしかったコミュニケーション」と「コミュニケーションって難しいと思ったこと」をヒントに、「コミュニケーションってなに?」をめぐって、自由に話し合いました。

 

コミュニケーションの着地点、言葉を使わないコミュニケーション、動物とのコミュニケーション、目的のない長話などなど、様々な話題を行きつ戻りつするなか、全員が反応したのが、「カラオケには、コミュニケーションのあれこれがつまっている」という説。

他の人の歌(話)きいてる?、みんなが歌わないと(話さないと)いけないの?、歌わない(話さない)けど盛り上げ上手の人、選曲(話題)に現れるその人らしさ、空間の居心地etc...

カラオケに例えると、漠然として捉えにくかったコミュニケーションの様々な要素が、その複雑さとともに浮かび上がってきました。

 

もうひとつ気づかされたのが、目的のないコミュニケーションと「人間は基本的に孤独だ」という説の関係。

最初に「人間は孤独だ」説を聞いたときは唐突な気がしたし、孤独の定義や、「本当に人間は孤独か?」については、意見の相違もありそうでしたが‥‥‥

みなさんが「人間は孤独か」についてあれこれ話すのを聞いているうちに、言葉であれ、目線であれ、身体的なふるまいであれ、目的なくやりとりを交わすことって、孤独な存在が「独りじゃないよね」ということを確かめ合うような効果をもってるな、と思い至りました。

 

そして、この日の対話自体が、そんな共にいること自体を味わうような時間になったのがうれしかったです。

 

名前を呼び合って、ボールをもっている人の話に耳を傾けて、全てを理解したとは言えないし、少しずつ音階が変わっていくようなズレをはらんでいるけれど、それでも共にここにいて、互いに耳を傾け合えるということの安心感というのでしょうか。

 コミュニティボールを使った対話は、ときに、名前を覚えなきゃというプレッシャーや、ボールを長々と独占する人がいたらどうしようという不安が生じることもありますが(私だけじゃないよね?)、この日は改めて、コミュニティボールの良さを実感することができました。

やっぱり、コミュニティボールって、継続的な場でこそ活きるものなんだなぁ。

 

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話して、聞いて、問いかけて、答えて‥‥‥


2時間ほど「コミュニケーションってなに?」について話し合った後は、飲み物とお菓子をいただきながら、まったりタイム。これも、雑談の練習?

特に話題を決めず、お菓子の話題から、お土産の話、方言の話‥‥‥と、とりとめのなく好奇心のままにおしゃべりを楽しみました。

 

ご参加くださったみなさん、公民館のみなさん、ありがとうございました。