てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

確定申告で1年をふりかえる、ついでに哲学者とお金の適切な関係について

確定申告、完了しました。

2月中に終わったのは、いつぶりだろう。

 

昨年、マイナンバーカードを読み取るやつを購入したのですが、今年は弥生さんがMacユーザー向けにスマホと連携してe-Taxできる新機能を搭載してくれたらしく、さくっと終了。

あっけなさすぎて不安になるぐらいでした。

 

www.yayoi-kk.co.jp

 

弥生さん、昔はMacユーザーに冷たかったけれど、最近少しずつ歩み寄ってくれるようになった気がする。ありがとう。

 

 

それから、今年は実は初めての「給与」が一切ない確定申告でもありました。

昨年までは高専と大学で非常勤講師をしてたので、その「給与」が少しばかりあったのです。

非常勤講師というと不安定な職業代表のようなものですが、それでもコロナ禍のてつがくやさんよりはずっと安定しています。

私にとっては、収入的な意味でも、アカデミックなキャリアを途絶えさせないという意味でも、命綱のようなものでもありました。

その命綱があったから、これまであれこれ冒険できたとも言えます。

 

コロナ禍のなかその命綱を手放すことに不安がなかったわけではありません。

学生さんとのやりとりも学ばせていただくことが多く、楽しかった。

 

けど、昨年、コロナ禍のなか県外の学校で学生さんと交流するのは色々気を揉むことが多かったこと(学校から何か言われたというわけではなく、こちらが勝手に気を揉んでただけですが)。

そして、コロナ禍のなかでも、なんとか“てつがくやさん”でやっていけそうという目処がついたこと。

そんな理由から、非常勤講師の椅子を手放しました。

その結果、2021年は哲学プラクティショナーの交流や研究活動の時間を、少しはつくれたように思います。

 

哲学プラクティス連絡会のお手伝いをしたり‥‥‥

philosophicalpractice.jp

 

学会発表にチャレンジしてみたり‥‥‥

philopracticejapan.jp

 

てつぷらマガジンつくったり‥‥‥

note.com

 
 
いま、並べてみて、お金にならないことばかりしてて、びっくりしました。笑。
でも、いいの。
“てつがくやさん”はなんとか続けられそうだし、“てつがくやさん”としての栄養にはなりそうだから。
 
 
確定申告、ただの作業になっちゃうと面倒だけど、お金を通して1年を振り返ったり、次の1年の方向性を考えたりできるので、おもしろくもあります。
「今年はこの人たちとたくさん仕事したな〜」とか「あのお仕事の母体って、この組織だったの!?」、「オンラインであれこれやろうとすると、旅費交通費は減るけど、光熱費と支払い手数料がめっちゃ増えるやん!」などなど。
 
自営業だと、お金の動きとそれぞれの仕事の意味や条件がちゃんと噛み合ってるか、こうやって確認できるのが、いい。
お勤めしてお給料もらって‥‥‥だと、自分がもらっているお金の意味や条件が見えにくい。
それって、知を愛する哲学者にとっては、すごく気持ち悪いことだと思う。
自分が社会のなかのどんな制度や慣習や経済活動を前提に哲学実践をしてるのか、哲学者なら知りたいと思うはずだし、知ろうとすべきだ。
そして、自分がのっかってるものが、自分の哲学に反していないか、確認すべきだ。
というわけで、個人事業主というのは哲学者にとって、とても適切な心地よい形態ではないかと思うのです。
組織の都合で、自分の哲学に反することをしなきゃいけないということもないしね。*1
 
お金に囚われすぎず、でも、お金に無知になることもなく、お金と哲学者の適切な関係を今後も探究してゆきたいな。
 

*1:もちろん、組織に所属してる哲学者も、所属してる組織が自分の哲学に反することがなければ、とてもハッピーなことですが。そういう意味で、先日テツトークで聞いた佐々木晃也さん(株式会社メタ監査役)のお話は大変興味深かったです。「監査役」は哲学者にぴったりのポジションかもしれない。