てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

奨学金返還おめでとう!!の哲学カフェ

先日、facebookではちらっと言いましたが、今月末に奨学金残り25回分を一括返還することにしました。

なんかお祝いしたいなってことで、返還おめでとう企画やります。

 

↑クリックするとイベントページに飛びます。

 

そもそも、哲学カフェに出会ったのも、哲学カフェを続けられているのも、私の場合、奨学金をもらって進学した大学院で先輩や先生に背中を押してもらったからなのです。

だから、これは絶対やらにゃーと、10年ぐらい前から思ってました。

奨学金よ、わたしを哲学カフェに出会わせてくれてありがとう!!!

もしかしたら、これがやりたいというのを励みに、持病できついときもコツコツ返還し続けられたのかもしれないというのもあります。

10年前は、岡山市内の学生さんも参加しやすい環境でやるつもりだったのですが、まさかオンラインでやることになるとは‥‥‥。*1

 

 

テーマは「奨学金って何?」だとなんとなくしっくりこなくて、ちょっと迷った末にこうなりました。

「何か」だけでなく「何でないのか」をききたいと意識的に思ったのは、初めてかもしれません。

 

 

そして、参加費の料金設定もけっこう迷いました。

奨学生と奨学金返還中の人はぜひ割引したい。

じゃあ、申請するか迷ってる人はどうしよう?

給付型の奨学金をもらっていた人はどうする?

あれこれ迷って考えて、いま思いつく限りで一番しっくりくるのが、この形でした。

 

  • 奨学生・奨学金返還中の方‥‥‥無料
  • 奨学金を申請するかどうか迷っている方‥‥‥300円
  • 一般‥‥‥1,000円

 

これがベストかどうかは知らんけど。

 

以下、ボツ案2点です。

 

1点目。奨学生と元奨学生と奨学金を申請するかどうか迷っている方をまとめて「奨学金体験談を話してくださる方」とする案も思いつきはしたのですが、話すことを強制するようなことは避けようと思ってやめました。

奨学金について自分の体験から語るってなると、けっこうプライバシーに触れちゃう可能性があるのでカメラオフでの参加もOKにしているとはいえ、申込時には「話したい」と思っていても、当日「やっぱり話すの抵抗あるな」となる可能性もあるので。

「割引してやったんだから話せ」となるのは避けたい。

 

2点目。「奨学生・奨学金返還中の方」の箇所は「奨学生・元奨学生」とする案もありました。が、「給付型の奨学金をもらってた人、うらやましすぎるぜ」というわたしの心の狭さゆえに、こうなりました。ごめんなさい。

なんせ、25ヶ月分をまとめて返還したばかりで、懐があたたかいわけでは決してないのです!この心の狭さも、返還型ゆえなのです!!たぶん。(元々ケチなだけやん説も否定しきれず)

と言い訳しておきながら、給付型の奨学金をもらってた人の視点には興味津々なので、参加費を定価で払っても参加したいという方がいらっしゃれば、大歓迎です。「松川さん、返還おめでとう!よかったね!」という心の広い方がいらっしゃれば、ぜひ。

 

もしかしたら他にも、わたしの思い至らなさゆえ不公平さを感じる設定になってしまっているところがあるかもしれません。

元奨学生が奨学金返還祝いという個人的な動機でやることなので、多少の不公平さは大目に見ていただければ。(どこかから助成金もらって公的にやるとかではないので。)

でも、「こうしたらもっといいのに!」というご指摘は興味あるので、ありがたく受け取ります。(Peatixというサイトの制約もあるので、ご助言どおりにできるかどうかはわかりませんが。)

 

そして、お気づきの方もいるかと思いますが、「奨学金返還おめでとう企画!」とか言ってるけど、この企画をたててるいまは、まだ返還完了してません。

無事に今月末の引き落としが済んで、開催日には「返還おめでとう!」と言えるはず!とフライングで企画しております。

そうなるよう、祈っていてください。どきどき。

*1:もし「対面でもやってほしい」というご提案があれば、お知らせください。検討します。

井上奈奈『星に絵本を繋ぐ』(雷鳥社)

井上奈奈さんのこちら、購入しました。

 

 

奈奈さんの絵本はどれもお気に入り。

けど、今回は絵本ではなく絵本についての本だったので、購入するかどうかちょっと迷いました。

でも、ページをめくったら、購入しないではいられませんでした。

 

本書は絵本を作るという行為が繋いでくれた「世界」についての話であり、「美しさ」についての話であり、「画ほのを作ってみませんか」というお誘いの本でもあります。(井上奈奈『星に絵本を繋ぐ』「はじめに」より)

 

奈奈さんがはじめて絵本の企画を出版社に持ち込んだときの話や、絵本のラフ本作りのページを読んでいると、忘れかけていた「つくりたい」という気持ち、なにかをつくって届けるときのドキドキ感やワクワク感が心地よく蘇ってくる。

そういう気持ちをいつでも思い起こせるように、ちゃんと手の届くところにこの本を置いておこうと思いました。

 

わたしもいつか、絵本つくってみたいなぁ。

 

 

奈奈さんの絵本で開催したえほん哲学カフェも気になる方は、以下をどうぞ。

 

matsukawaeri.hatenablog.com

 

matsukawaeri.hatenablog.com

 

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患者を支える希望とは?〜キューブラー・ロスの5段階説を読む読書会〜

今日は、すろーす読書会。
キューブラー・ロスの『死ぬ瞬間』より、第8章「希望」の章について、参加者のみなさんと感じたこと考えたことを語り合いました。
 

 
希望にはどんな種類があるのか?
「希望」と一括りにする意味はあるのか?
「よい治療が見つかるかも」は本当に希望なのか?
‥‥‥といった、希望を一括りにしていいのか問題
 
抑鬱状態のときも希望は本当にあるのか?
希望と受容は両立するのか?
‥‥‥といった、希望と○○は両立するのか問題
 
非現実的な希望って?
希望が現実否認?
‥‥‥といった、希望と現実問題
 
などなどがまず出てきました。
 
その後、ロスの「死について話すのを避けるべきではない」に対する「でも、やっぱり死について話しにくいのでは」という感想をきっかけに、「死について話にくいのはなぜか?」「死について語るとはどういうことか?」について様々な角度から考える展開に。
 
希望や悔い、死について語ることをめぐる患者と家族のズレについて話すなかで、「愛があればいつか理解できる?」「愛ってなんだろう?」という疑問が湧いてきたところで、終了時間になりました。
 
希望について書かれた章で「死について語るとは?」や「愛って何?」という問いが出てきたのが興味深かったです。
ひとりで読んだだけじゃ気づかない発見がたくさんありました。
 
次回は11月20日(日)に、同じ本から「患者の家族」の章を取り上げる予定です。
「家族のためのがんカフェ」や「遺族のためのがんカフェ」を開いているすろーすにとって関わりの深い章だと思うので、みなさんとの対話でどんな感想や気づきが出てくるのか楽しみです。