てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

哲学ウォーク@長島愛生園

ふだんは年に1〜2回しかしない哲学ウォークを、4月下旬は2回もしてしまいました。

 

1回目は、小雨のなか長島愛生園で。

いつも医療者のための哲学カフェを一緒にしている岡山大学の小比賀(おびか)さんつながりで、アートや人文学をつかった医学教育に関心のある方々と。

 

哲学者や愛生園に縁のある人の言葉が書かれた言葉をクジでひいて、てくてく。

自分がひいた言葉にぴったりのスポットが見つかったら、ストップ!

そこを選んだ理由を説明して、他の参加者にもらった質問から考えたい質問を1つ選んで、また歩きだします。

 

それぞれの言葉と立ち止まったスポットを一部ご紹介しておきましょう。

 

分かれ道で‥‥‥

「過去が現在に影響を与えるように、未来も現在に影響を与える」(ニーチェ

 

収容桟橋で‥‥‥

「今よりもっといい時代があるかもしれないが、今この時を生きるしかないのである。」(サルトル

 

納骨堂で‥‥‥(こちらは哲学者ではなく愛生園で暮らした詩人の言葉です)

「生はいつもまっしぐらに進んでいる」(志樹逸馬)

 

この景色を前に‥‥‥

「それでも人生にイエスと言う」(フランクル

 

晴れていればより美しい景色が見れたかもしれないけれど、けっこう高低差のあるルートなので、これぐらいの天気が涼しくてよかったような気も‥‥‥。

 

最後に、さざなみハウスでケーキと飲み物をいただきながら、考えたことを共有しつつふりかえり。

生きることと、社会のあり方とに思いを馳せる時間となりました。

今回は、異なる言葉、異なる場所から「生き方」をコンセプトに選んだ方が二人いたのも、興味深かったなぁ。

教育に関心のある方々なので、ワークの仕組みについても、なかなか鋭いコメントをいただけました。

 

 

4月に神戸で行ったもう一つの哲学ウォークの様子は、また改めて。

一部、ここでご紹介したのと同じ言葉が、出てきますよ。

 

前回の愛生園での哲学ウォークの様子は、こちらからどうぞ。

matsukawaeri.hatenablog.com

 

リクルート『キャリアガイダンス』vol.442

先月、高校生と働く大人とで「自分らしく働くって必要?」というテーマで対話しました。

その様子と参加者の感想が、リクルートさんの『キャリアガイダンス』vol.442で紹介されています。(ライターさんが、とても丁寧に取材してくださいました!)

 

こちらからPDFで読めるので、ご関心のある方はどうぞ。

souken.shingakunet.com

 

特集は『「働く」をどうかんがえるか』。

先生向けの冊子ですが、迷っている大人にもオススメです。

「自分らしい人生とは?」@フリーデザイン岡山

先週は、フリーデザイン岡山で哲学カフェでした。
ひとりひとつずつ提案したテーマから選ばれたのは、「自分らしい人生とは?」。
前日のプログラムで「自分らしい人生」って出てきたり、スタッフさんに「自分らしく生きてほしい」と言われることがあって、考えてみたくなったんだって。
 
自分らしさは、味わい深いオーラや足跡をつくることもあれば、自分を閉じ込める枠になっちゃうこともある。
「自分らしさ」をテーマにしたことは何度かあって、何度考えても新たな発見があるテーマだけど、今回後半30分で盛り上がった、自分らしい人生をつくるスイッチ説が独特でおもしろかったなぁ。
簡単に動かせるスイッチや、ガチガチに固まって動かないスイッチ、知識や技術があれば動かせるかもしれないスイッチ。
自分でも何個あるかわからないけれど、いろんなスイッチがある。
 
そんなことをみなさんと話したあと、フリーデザイン岡山も、これまで動かないと思ってたいくつかのスイッチを動かす機会をつくる場のかも、なんて思いました。
そうか、デザイン会社じゃないのに「フリーデザイン」って名前なのは、そういうところからきてるんですね、きっと。