てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

医療情報サイト「m3.com」で岡山大学の哲学カフェが紹介されました。

医療情報サイト「m3.com」に、岡山大学で実施している医療者向けの哲学カフェについての記事が掲載されました。

一緒に企画している岡山大学の医師の小比賀さんと、小比賀さんとのご縁を結んでくださった元薬学部生で薬剤師の松元さんと、私の3名のインタビュー記事になります。

 

医療者専用サイトなので私も読めないのですが(原稿はしっかり確認させてもらいました!)、もし読める方がいらっしゃったら、ぜひ!

 

www.m3.com

 

なんと、2回にわたっての記事だそうで、続きは5月29日に掲載の予定です。

2つの反論、異論と批判。と、学校教育において競争を利用することはまちがっているか?

今日は、明石高専の哲学概論(オンライン)の3回目。

「異論」と「批判」、2つの反論のちがいについて解説。

 

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参考:野矢茂樹『論理トレーニング』(産業図書)


その後、自分でなにかしらの立論をして、自分の立論に対する批判と異論を述べるという課題を出してみました。

お題は「学校教育において競争を利用することはまちがっているか?」。

 

オンライン化の影響で急遽授業プランを変えたので、よい課題が出せたかどうか自信がなかったんだけど、学生さんから届く解答が「なるほど、そういう視点もあったか!」と全教員で共有したいほどすばらしく、今後、学校でお仕事するにあたってめっちゃ参考になりそうなので、うれしい。

もうこれだけで、この授業をやっててよかったと思っちゃう。

 

そして、やっぱり学校のことは、生徒さんや学生さんの声を聞いてみるもんだなぁと改めて思う。

 

自分の立論に対して批判や異論を述べてみるという課題によって、独りよがりな見解にとどまらず、多角的でもう一歩踏み込んだ思考を促せたのもポイントかもしれない。

 

学生さんからも、

「会議や話し合いでも役に立ちそう」

「どの部分に対する反論なのかはっきり意識できてなかったけど、これらを区別することによって議論をより細かく捉えられるような気がしておもしろかった」

 という感想をいただいたので、今後もこれは続けたほうがよさそうだなぁ。

 

本日の参考図書はこちら。 

 

論理トレーニング101題

論理トレーニング101題

  • 作者:野矢 茂樹
  • 発売日: 2001/05/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

ひさしぶりに開いたら、意外と書き込みとか使い込まれた跡があって、「なんだ、わたしもけっこう基礎トレちゃんとやってるやーん」と思ったけど、よく見たら使いこまれてるのは「質問のトレーニング」「批判のトレーニング」のあたりだけ。

やっぱり、学生のころから、ひとりで論理を緻密に構築していくより、他の人にどうからんでいくかに関心があったんだなぁ。

てつがく絵カード@フリーデザイン岡山

昨日5月20日(水)は、フリーデザイン岡山へ。

福祉施設なので、利用者さんの生活のリズムを整えるためにも、開けているそう。

(岡山では感染者が増えていない状況のなか、感染を恐れすぎて健康を害してしまうのも避けたいですものね。)

在宅活動中の方もいるらしく、いつもより人数は少なめでしたが、おかげでひさしぶりに家族以外の人とナマで話せました。

 

今回は2ヶ月に1度のコミュニケーション・カフェということで、何をするか迷ったんですが、せっかくだからオンラインでできないことがやりたくなっちゃったんでしょうね。

久しぶりに「てつがく絵カード」を使ってみることにしました。

 

てつがく絵カード (哲学カード)

てつがく絵カード (哲学カード)

 

 

カードに書かれたお題のなかから、まずは「一番ふつうなのはどの人?」をやってみることに。

 

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指示されたこれらのカードを‥‥‥

 

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「一番ふつう」だと思うものから順に並べていくのですが、

さらに「ふつうかどうか話してみたいカードも、勝手に混ぜちゃおう!」ということで、こんなカードを混ぜてみたら‥‥‥

 

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「誰だって一生に1回ぐらいは大ケガするでしょ」「いや、でも、ここまでのケガは滅多にないのでは?」、「パッと見て、この服のかぶり方はふつうじゃないと思った!」「でも、こういうおどけた人っていない?」「子どもならいるかも」「いるけど、テンションがふつうじゃない気がする」‥‥‥と大盛り上がり!

“ふつう”といっても、実際にいそうかどうか、知り合いにいるかどうか、誰にでも当てはまるかどうか、日常度合い、テンションの高さなどなど、いろんな“ふつう”が浮かびがります。

 

2回目は「ホンモノはどれ?」というお題が選ばれ、こちらも「こんな南の島にシロクマがいちゃおかしいでしょ」「けど、こういう動物園ありそう」「檻の中のライオンも動物園にいるよね」「いや、でもライオンって本来はサバンナにいる生き物でしょ。檻にいるのは“ホンモノ”とは言い難い」‥‥‥などなど。

 

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「現実かフィクションか」「自然や本来のあり方に沿っているかどうか」「気持ちに嘘がないかどうか」など“ホンモノ”の捉え方によって、同じものが“ホンモノ”になったりならなかったりすることが明らかに‥‥‥。

 

カードの絵柄のどこに注目するかによっても並びが変わってくるので、お互いに「このカードはもっとこっちかと思った」「これはなぜここなの?」と質問やコメントをはさみながら、楽しみました。

他の人の説明を聞くと「なるほど〜」と思うのですが、いざ自分でカードを並べてみると全然ちがう並びになるのがおもしろい!

それに、ふだん口数が少なめな方も自分が並べたカードの説明は、わりとスラスラとしてくださった気がします。

 

この「てつがく絵カードの」説明には「小さな子どもたちとてつがくするためのテーマ別絵カード」、「哲学は大人だけがするものではありません」とありますが、このカードは大人同士でやっても盛り上がるよ!とお伝えしておきます。