kindle unlimitedで読めるからという軽めの理由で、こちらの本を読んだのですが‥‥‥
予想に反して、カサンドラ症候群やアスペルガーについてというより、「愛着」についての理解が深まる結果に。
夫婦の愛着タイプの違いからいかにコミュニケーションの悪循環が生じるかの説明が、カサンドラやアスペルガーに限らず、自分や周囲の夫婦にも当てはまるところがあり、説得力を感じました。
ストレスを受けると、回避型の人は無口になって、自分の殻にこもることで耐えようとする。一方、不安型の人は、多弁になって相談したり、話を聞いてもらったりすることで紛らわそうとする。ストレスへの対処の仕方が正反対なため、両者のストレスが高まったときほど、すれ違いが大きくなりやすいのだ。(カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら (角川新書))
夫が回避型で妻が不安型の夫婦もいれば、妻が回避型で夫が不安型の夫婦もいそう。
わたしは共感が苦手というか、共感を求められるのが苦手なのですが、この本に書かれている「相手の安全基地になる」という発想は、なにかヒントになりそうです。
その後、同じ著者の愛着障害に関する本も読んでみました。
夫婦間のコミュニケーションについて考えるなら『カサンドラ症候群』のほうがオススメですが、こちらはこちらで、愛着アプローチや今勉強中のメンタライゼーションと認知療法とのちがいなど興味深いです。
通常の認知療法では、過去の体験は問題にせず、今現在の行動や感情的反応だけを見て、そこから特有の反応パターンやその背後にある考え方のクセを見つけ出し、それを、もっとうまくいく考え方に変えていこうとする。 それに対して、MBT[Mentalization-Based Therapy]では、現在の認知や反応パターンにだけ対象を絞ることはしない。現在の認知や行動を、過去の体験との関係から理解し、それが過去の状況を再現しようとしていることに気づくことで、過去の呪縛を解こうとする。(愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書))
わたしの発想や哲学カウンセリングは認知療法に近いものがあるけれど、岡田さん曰く、「通常の認知療法なども、それがうまくいくのは、愛着が比較的安定した人」とのこと。
愛着アプローチやメンタライゼーションについて学ぶことは、哲学的アプローチの限界を知っておくという意味でも、大事かも。