まつかわえりのてつがく日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川絵里のブログです。

てつがくやさんがコミュニケーション・カフェをやる意味

先日フリーデザイン岡山さんではじめた「コミュニケーション・カフェ」。

そもそもは、3月に閉館してしまった岡山市立中央公民館で、「若者がコミュニケーションについて学ぶ講座を」というリクエストをいただき、スタッフのみなさんともに試行錯誤するなかで辿り着いた企画でした。

 

そのときの触れ込みは、こうでした。

コミュニケーションのことで悩んでいたり、不安がある...。そんな人たちが、一歩踏み出すチカラを得るための講座です。毎回1つのコツ・小技を伝授します。(岡山市立中央公民館主催講座「コミュニケーション・カフェ」のチラシより)

 

「小技」といっても、ノウハウというより、コミュニケーションを捉えるときの視点のようなものだったりもしますが、それにしても、それを「てつがくや」の私がやるのはどうなんだろう?という迷いがなかったわけではありません。

コミュニケーションデザイン・センター」というところで働いたことはあるものの、コミュニケーションの専門家かというと、そうでもないし。

かろうじてできるのは、哲学対話だけだし。

 

けど、中央公民館やフリーデザインでみなさんとやっていくなかで、これを「てつがくや」の私がやる意味が、徐々につかめてきました。

特に、先日フリーデザイン岡山でいただいたある方の感想が、私に何ができるかを教えてくれました。

みなさん、コミュニケーションが上手だなとおもっていたけど、私からみたらコミュニケーションが上手な人も「難しい」って思ったりするんだな。みんな、いろいろ考えてるんだな。(松川の記憶によるもので、正確な表現はちょっとちがったかもしれません。)


これを聞いたとき、わたし、本当にうれしくって。

なにがそんなにうれしいのか、すぐにはわからなかったけど、考えてみました。

 

たぶん、わたしがお伝えする「小技」は、忘れてしまっていいんだと思う。

まぁ、一応、ネタとかたたき台がないと、みんな話しにくいだろうから、一生懸命考えてもっていくけど。

本当は、ただコミュニケーションについてみんなで話して聞いて考えてみる、それだけで、十分なんじゃないかな。

 

コミュニケーションについて他の人と話す機会ってそんなになくて、困ってノウハウ本を読んでも、トレーニングを受けてもそのとおりにできなくて、また落ち込んだりする。

そんなふうに、コミュニケーションについての不安を抱えてる人って、けっこういるんじゃないかな。

一見、みんな、難なくこなしているように見える。

けど、実は、自分だけじゃなく、たくさんの人が「難しいな」「困ったな」と思いながら試行錯誤している。

そのことを対話のなかで実感できれば、不安をひとりで抱え込まずにすむ。

自分だけじゃないってわかれば、みんなと一緒に試行錯誤してみる勇気が湧いてくる。

 

大事なのは、みんなが密かに抱えているコミュニケーションについての不安や悩みを話せる場、みんなで一緒に考えられる場があるっていうこと。

そのことを忘れないようにしよう。

これから、一生懸命ネタを仕込んでいくけど、そのネタが霞むぐらいの対話が生まれるといいな。