昨日1月14日は、きらめきプラザ内にあるゆうあいセンターにて、哲学カフェを開催しました。
参加者が増え、岡山大学まちなかキャンパス・城下ステーションがやや手狭になってきたのと、バリアフリーな会場を求めて、初めてこちらの会場で開催してみました。
こでまでにも、ケア関係のイベントのゲストなどで利用させていただいたことはあったのですが、やはり主催者となるとやることがたくさん!
手続きやセッティングにやや手間取りつつも、直前にスタッフをお願いした後輩の佐々木さんやみなさんのご協力もあり、なんとか時間どおりにスタート。
初めての場所ということは、初めて参加してくださる方が多いということ。
今回は、最初に哲学カフェに関するプチレクチャー「哲学カフェってなに?」をつけてみました。
対話の時間が減ってもったいない気がしますが、「哲学なんてしたことない」という人が多い場合は、やや丁寧めに説明したほうが、参加者にも安心していただきやすく、対話の内容も濃くなる気がします。
そしてテーマも、初めての人が哲学カフェの醍醐味を味わいやすいものをセレクト。
「親切とおせっかい」。
ボランティアや福祉に関わる会場にも合うかと思って。
(書きながらふとおもったけど、こういう思惑もある意味、おせっかい?)
私はこれまでに同じテーマで2回哲学カフェをやったことがあるのですが、さて、今回は?
まず序盤。
様々な体験談な例をヒントに、「これっておせっかいかな?」「こういう場合はうれしいけど、こういう場合はちょっと‥‥‥」、「親切と感じるかおせっかいと感じるかは、受け手次第?」と、「親切」と「おせっかい」の違いについて探っていく。
‥‥‥というのは、このテーマでは定番の流れですが、今回はまた、その体験談が絶妙で味わい深かった!
特に印象に残っているのは、「うざいいメール」と呼ばれる気遣いメールの話と、おすすめの本を読んでもらえるよう職場に設けた○○ライブラリーの話。私、初対面の方の名前を覚えるのが苦手なんですが、このお二人のお名前はエピソードとともにインプットされてしまいました。
同じ行為を「うれしい」と感じる人、「重い」と感じる人。
自分の行為がおせっかいになっていないか懸念する人と、おせっかいのうちの何割かが親切になればいいと割り切っている人。
「イヤなら断ればいい」という人と、「断るのって難しい」という人、そして「断って、今後この人が声をかけてくれなくなったら」と心配する人。
参加者のあいだにある様々な差異とともに、「おせっかい」の実用的なポイント(「断りやすさや選択肢など、抜け道があったほうがいい」、「相手が何を望んで、何を望まないのか、コミュニケーションが必須」)や、「親切」の一筋縄ではいかなさ(「親切にしよう」と思ったとたんにそう思ったとたんに、押し付けがましくなったり、相手のことが見えなくなったり)が浮かび上がってきました。
さらに今回の対話で面白かったのは、「親切とおせっかい」に止まらず、その奥にある「他者と関わるとはどういうことか?」という問いに、けっこうしっかり向き合ったことです。
「昔は、結婚相手を紹介するお節介な人がいたらから結婚できたけど‥‥‥」という婚活今昔比較から展開した「システム化=人と関わりが薄れる」説。
婚活サービス、インターネット、マンション、コンビニ‥‥‥
そうしたシステムが発展したから人との関係が薄れたのか、それとも特定の個人との直接的な関わりがイヤだからシステムが発展するのか?
他者と関わりがないとさみしい人と、「そっとしておく優しさ」を好む人。
日常生活でそうそう他者と関わる必要を感じないという人と、「親切やおせっかいがないと、日常生活がままならない」という身体障害者。
数々の断絶を確認したあと、一周回って、元気のない同僚に「うざいいメール」(褒め言葉)を送る人と、何もせず友達を見守る人とのあいだに、「万人受けしない親切」という共通点が見つかったときの、なんとも言えぬ驚き。
ひとつひとつの論点が、ひとりひとりから滲み出る人柄と相まって、とても味わい深い対話でした。
やっぱり哲学カフェって面白い!
最近は、「他の人がやりたいテーマにのっかるほうが、ラクだし新鮮でいいや」という気分が強かったのですが、今回は、新しい出会いも多かったせいか、終わった瞬間から「この人たちと、今度はこんなテーマで話したい!」という欲がムクムク。
またがんばって企画しようっと♪
ゆうあいセンター利用に関する備忘録
- スタッフ必須!利用手続き、お茶の準備、席のセッティング、受付etc.やることがたくさんあって、一人じゃ大変。
- 途中で1回、ポットに水を足す必要あり。ポットを二つ用意すれば途中で補充する必要はないけれど、それはそれで荷物が多くなりすぎる。
- 早めに駐車券が必要な人数を確認。受付時?休憩時間?