今年の対話はじめは、ネオ・ソクラティクダイアローグ(NSD)でした。
NSDとは、ドイツの哲学者が考案した哲学対話法で、進行役の助けのもと参加者みんなで問いを立て、実体験から例を出し、例を吟味して、問いに答えます。
哲学カフェとちがって、ステップごとに課題が決まっており、各ステップで参加者全員合意しないと次に進めません。
時間と忍耐力と思いやりが求められる、なかなかハードなワークですが、その分対話の醍醐味と真髄を味わえます。
今回は、1月6日に内輪の対話研修として実施。
NSDの全行程を体験するには最低でも2日間必要なところ、全員のスケジュールを合わせるのが難しく、1日の簡易バージョンで行いました。
時間を短縮するために、「価値があるってどういうこと?」という問いをあらかじめ設定してスタート。
山登りでいうと、3合目からスタートというところでしょうか。
問いは、今回参加予定だったある方の「『楽しい』や『面白い』はわかるけど、わざわざ『価値がある』という言い方をする必要があるのか、あるとしたらどんな場合なのか、わからない」という言葉をきっかけに、私が提案しました。
やはり1日では時間が足りず、全員で一つの答えを出すところまではいけず。
しかし、各々出した答えが「ほとんど同じだね」というところまでは、なんとか辿り着くことができました。
最初「『価値がある』ってピンとこない」と言ってたその人が、最終的に「『価値がある』って、たしかにこういうことだ!」とうんうん頷く姿に、みんな驚き、笑い合って1日を終えました。
今回は朝から夕方までの実施でしたが、今度は夕飯を挟んで夜までの1日バージョンにもチャレンジしてみたいなぁ。めっちゃ疲れそうだけど。
NSDについて詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ。
私にNSDを教えてくださった先輩、堀江剛さんが昨年末に出されました。
現在のところ、日本で唯一この手法について学べる本です。
私もまだ途中までしか読めてませんが、15年ほど前にお手伝いした対話の様子が紹介されていて、懐かしい。
あのころ、そばで見てるだけではわからなかった、実践知も詰まった一冊。
読了したら、改めて感想を書きます。