まつかわえりのてつがく日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする哲学者、松川絵里のブログです。

活動を続けるために、何が必要?

先月、イベント「著者と話そう」でお世話になった梅田蔦屋書店コンシェルジュ、三砂さんからのご質問です。
イベントでは時間の関係でお答えできなかったけれど、ずっと考えてたことなので、こちらでお答えすることにしました。 

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「活動を続けるために、必要なことは何ですか?」

 

私が関わる活動のなかで一番長く続いているのが、本のなかでもご紹介した、〈グリーングラス〉(愛称「グリグラ」)の哲学カフェです。

神戸のごくごく普通の育児サークルで「子育てに必要なお付き合い」について話し合ったが2004年1月。それから、ほぼ月1のペースでもう14年弱続いています。


といっても、昨年度から、私はグリグラで進行はしていません。

大阪の職場を退職して、自宅のある岡山から頻繁に神戸まで通うのが難しくなったからです。*1

いまでは、グリグラのメンバーとカフェフィロのメンバーが交代で進行役をしてます。

そして私は、お母さんたちの進行トレーニングを兼ねたコミュニケーション講座を年に数回。みんなが対等に話せるテーマづくりのポイントを伝授したり、参加者から考えを引き出すための質問トレーニングをしたりと、後方支援をしています。

  

「ちょっとお試し」のつもりで始めた哲学カフェが、「毎月やりたい」「とりあえず1年」「もう1年」と、なんだかんだで14年。

その間、専業主婦だったお母さんたちは、子どもの成長にともなって、仕事を始めたり、ライフワークを見つけたり。

大学院生だった私も、大学の研究員になったり、結婚して岡山へ移住したり、フリーランスになったり。

私たちも、取り巻く状況も、刻々と変わっていきます。

だから、同じことを繰り返しているだけでは続きません。

状況の変化に応じて、何かを変えていく必要があります。

 

これまでに、たくさんの変化がありました。

 

まずは、活動場所。
お世話役の先生の転勤や耐震工事などにともなって、大学内の一室から、福祉施設子育て支援センター、区民センターと計3回も変わりました。



それから、参加者。

最初は、グリグラの現役メンバー限定、つまり就園前のお子さんのいるお母さんのみでしたが、今では様々な年代のお母さんだけでなく、様々が参加しています。

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もし当初のまま、参加者を育児サークルのメンバーに限定していたら、類似の育児サークルの増加と少子化、お世話役の先生の転勤にともなって参加者が減り、活動を続けるのは難しかったでしょう。

さらに言うと、たぶん今のグリグラは、「育児サークル」ではありません。対象が絞られる親子活動や子育て相談はやめて、いまは哲学カフェメインで活動しています。哲学カフェ好きなお母さんたちのセルフエンパワメントグループ、といった感じです。

 

それから、みんなの関わり方。

最初は、進行役の私が毎回アンケートをとって、アンケートを参考にテーマを考えていました。
しかし、開始後半月で「そのとき一番関心あるテーマでやりたい!」という意見が出てからは、テーマは当日みんなで考えて決めることに。

そして、参加するだけだった人たちが、いまでは進行役です。

 

変わらず活動を続けるために、変えるべきことは変えていく。

これが、グリグラの哲学カフェから学んだ、活動を続けるコツです。


*1:大阪から岡山に移住した2010年から2016年3月までは、岡山から大阪の職場に月3〜4回通うついでに寄っていました。