てつがくやさんの気まぐれ日誌

はなして、きいて、かんがえるをお手伝いする〈てつがくやさん〉、松川えりのブログです。

テツドク!『ツァラトゥストラはこう言った』

最近忙しくて、いろいろレポートが下書きのまま溜まってしまっていますが、

昨日は、岡山芸術交流のパブリックプログラム。

哲学書のことばに触れ語り合うテツドク!が開催されました。

 

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今年の岡山芸術交流のタイトルが「もし蛇が」で、

哲学で蛇といえばなんだ?と考えた結果、

恐る恐る出した企画が通ってしまったものの、

実はニーチェのなかで最もわけわからんとおもって避けてきた本。

こんな機会がなかったら、一生ちゃんと読まなかったかもしれない。

おかげで、なんとか自分なりにツァラトゥストラと格闘することができました。

 

蛇の印象やツァラトゥストラとの関係がシーンによってちがうこと、

「わたしがそれを欲したのだ」なんて思えないこともあるのではという疑問、

永遠回帰の思想のもたらすキツさと希望、

などなど。

言われてみれば、たしかにそこは気になる!

というポイントがいくつか参加者のみなさんから出てきました。

 

よし、それならばもう一度!

‥‥‥と、もう一度ツァラトゥストラの旅を最初からたどるかどうか、

たどるとしたらどの翻訳でたどるか、

ちょっと迷っています(笑)。

 

けど、久しぶりにニーチェとふれあい、学生時代には気づかなかったニーチェのかわいさも感じられたりして、よかった。

 

この機会をくださった岡山芸術交流のみなさん、

おつきあいくださった参加者のみなさん、ありがとうございました。

 

 

 

「がんばるってどういうこと?」@フリーデザイン岡山

10月30日(水)は、就労移行支援施設のフリーデザイン岡山で哲学カフェ。

はじめて、テーマを当日決めるスタイルでやってみました。

 

おもしろそうなテーマがたくさん出たけれど‥‥‥

 

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なんやかんやあって、今回は「がんばるってどういうこと?」に決定。

 

  • 挨拶代わりの軽い「がんばれ」「がんばります」
  • 「がんばれ」という言葉がもたらすプレッシャーや無責任さ
  • がんばろうって思うのはどんなとき?
  • がんばりすぎちゃうのはなんで?
  • がんばったかどうかとできたかどうかはちがう問題

などなど。

 

具体的な仕事の話題で紛糾したシーンでは、多少テーマから脱線したかのようなシーンもありましたが、みなさんの「働く」をサポートする施設だからと、そこは進行役の独断でちょっと踏みとどまって丁寧に。

「がんばる」という切り口から、仕事についても考える時間となりました。

『夜の絵』@スロウな本屋

10月26日(土)は、スロウな本屋でえほん哲学カフェでした。

今回の題材は、なんとも不思議な雰囲気を醸し出す、『夜の絵』。

 

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夜しか絵を描かない不思議な絵描きのお話です。

 

自らの命と、とうてい描ききれないと思える絵を描くことを引き換えにしたある画家の「幸福」な人生ーー。村山亜土の純粋な言葉の世界を表すのに柚木沙弥郎が選択したのは、型染めでも絵でもなく、布コラージュだった。それも愛蔵の端切れを用いて。柚木作品の中で最も重要な作品でありながら私家本として刊行されたため、幻の名作となっていた本書を、限定復刊。(『夜の絵』、帯より)

 

以下、ネタバレご容赦ください。

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